ヒヨドリ | ||||
暮らしとの関わり 石黒では、ヒヨドリのことを「ムクドリ」と呼び、ムクドリのことは、「ギャァギャァ」と呼んだ。 石黒では、野鳥の中では、あまり注目されない鳥の一つであったように思う。ただ、羽ばたいた後に緩い曲線を描いて滑空する独特の姿は誰もが見ているに違いない。 筆者の子どものころ(1940代)は野鳥を捕らえて飼ったものだが、ヒヨドリを飼ったという記憶はないが、あるいは飼ったことがあったかもしれない。よく人になれる習性であるという。 数年前に、冬の庭に来て木の実をついばんでいるヒヨドリが、夏、アブラゼミを捕らえて食べる姿ををみて意外に思ったことがある。たしかに、真正面から見ると、顎下の白っぽい羽と頬の褐色の部分などから横顔にはない獰猛さが感じ取られる。→右写真 また、寒い時期には羽をふくらませ一見別の鳥のように見える。 下の写真のように花の蜜を吸ったり、おしべを引き抜いて食べてる姿も見る。桜の花見で、メジロとともによく見かける鳥でもある。どちらも吸密に適応して嘴が長い。 また、庭のナンテンやヒメアオキの実を食べている姿を良く見かける。 ちなみに、日本では、どこでも普通に見られる鳥であるが、外国では朝鮮半島などアジアの一部にしか生息しないため欧米等の愛鳥家には人気のある野鳥だという。 ヒヨドリジョウゴ、ヒヨドバナ、サワヒヨドリなどこの野鳥の名前のついた植物も何種かある。 先日(2015.1.19)庭の木の実を巡って二羽のヒヨドリが壮絶な戦いをする姿を見た。戦いは1分以上も続いた。厚い二重ガラスを通してその羽音をカメラのマイクが捉えているのには驚いた。→ビデオ資料「餌をめくってのヒヨドリの対決」 新潟県では11日より降雪が強まり新潟市で80pを越える積雪となった。柏崎市では60pほどであったが久しぶりのまとまった雪となった。そのせいか、わが家のたわわについた南天の実を食べにつがいらしいヒヨドリが急にやって来るようになった。今日(13日)はすっかり食べつくしてしまった。(下写真) 石黒でも市街地でも、年間をとおして最も身近に見られる野鳥は、ヒヨドリかも知れないと思っている。 今年(2019)は、冬の気温が高かったせいか庭のビワの結実が良かった。5月に摘果をしたのでいつもより大きめの果実が実った。毎年のことであるがヒヨドリが未だ熟さない内から、様子を見に通ってくる。妻と防鳥網をかけようかと話していると、たまたまそこに訪ねてこられたSさんが「ヒヨドリと仲良く食べたらどうですか」とさらりと言われた。なぜか不思議なくらい説得力があった。 結局、ヒヨドリは頂上から食べ、我々は背の届く下の方から採って食べ、今、仲良くヒヨドリと食べ終えようとしている。 (写真上2007.5.10 (とまっている木はサワグルミ) 右上2007.6.11 右下2003.11.10 ※ビデオ-雪の中の餌を食べるヒヨドリ 自宅の庭にやってきたヒヨドリ 写真2014.1.28松美町
サクラの木の枝で囀るヒヨドリ 写真2015.2.5藤井 ― 「ピーピー、ピヨピヨピヨピヨ」と聞こえる キハダの果実を食べるヒヨドリ 写真 2015.12.2 下石黒 群れている様子 写真2011.4.21藤井 庭の南天のの実を食べつくしたヒヨドリ 写真2018.1.13松美町 |
解 説 ヒヨドリ科 大きさは中型で体長約27p。体全体は灰色に見えるが、胸の部分は斑が見られる。また、羽の付け根のあたりが褐色がかったもの、脇が橙褐色帯びたものも見受けられる。雌雄同色。 尾羽は長めで頭の上の羽は長めで毛状となり冠羽となっているもの見かける。(写真左) 鳴き声は「ヒーヨッ、ヒーヨッ」とやかましいくらいである。主食は木の実や果実で花の蜜を吸うこともある。また、蝉などの大型昆虫も餌とする。 冬期間は山よりも街で多く見かける。 留鳥であるが、晩秋には群れで西日本に移動することから漂鳥と分類されることもある。 名前の由来は「ヒーヨ」「ヒーヨ」という鳴き声による。 後ろ横から見た姿 写真2014.1.28松美町 正面からみた頭部 写真2014.1.28松美町 雪の日の庭によく見られる 写真2015.2.8松美町 器用に吸蜜する姿 撮影2007.5.6松美町 写真2009.3.17松美町 スマートに見える 写真2012.4.19松美町 写真2010.5.3下石黒 庭のビワの実を食べるヒヨドリ 写真2019.6.24 松美町 庭木にとまった姿 写真 2007.6.11 下石黒 背羽の一部が橙色の個体 写真 撮影日不明 市街地周辺 |