ヒヨドリバナ
暮らしとの関わり
 8月前後に、ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリサワヒヨドリ、などがよく見かけるが葉や花がよく似ているので同定が難しい。素人目にも雑種と思われるものも多い。
 これらの中で、ヒヨドリバナは草丈がもっとも高く花も白色がほとんどで、すっきりした印象をうける。
 開花時期については、筆者の見る限り、すべての図鑑等では8月〜となっているが、実際にここ数年にわたって観察したところによれば石黒では7月初めに開き始める個体がかなり多く見受けられる。だが盛りは9月で、時には群がって咲いているヒヨドリバナに出会う。→参考画像
 名前の由来については、「ヒヨドリ〔石黒ではストトと呼んだ〕が鳴く頃に咲く」は実感できない。秋になり草花の果実が実る頃で縄張りを主張するために盛んにさえずる頃という意味であろうか。 参考的画像

写真上2007.7.11大野 右上2007.8.12下石黒


                 幼苗
撮影2009.5.8落合

         花期を迎えたヒヨドリバナ

撮影2005.8.2上石黒
撮影2011.8.4下石黒

  3〜4個の花がまとまっている頭状花
 
撮影2009.9.1下石黒

          花期から果実期へ
撮影2009.9.8下石黒
            果実期

写真2015.10.29下石黒
解 説
キク科
 北海道から九州までの山地や林縁に生える多年草
 茎の高さは1〜1.5mになり短毛があってざらつく〔下写真〕。タマバエの一種による虫えいが茎にたまに見られる(下写真)
 地下茎は短く太くやや塊状に肥大し多少木質化する。
 葉は、ごく短い柄があり対生し、質は薄く長さ6〜18p、幅3〜8p裏面には全体に腺点がある〔下写真〕。先は尖り縁には鋭い鋸歯がある。葉の形には異変が多い。
 花期は7〜10月。多数の頭花散房状につける。一つの頭花は3〜4個の花から出来ている。
 花の色は白が多いがやや紫がかったものもある〔左下写真〕
 総包の長さは5〜6o。総包外片は乾膜質で短い〔左写真〕
 そう果は長さ3oほどで腺点と毛がある。冠毛は白色〔下写真〕
 名前の由来はヒヨドリの鳴く頃に咲くことによるといわれる。



       葉の表裏
撮影2005.8.2上石黒

   ヒヨドリバナ茎の茎

撮影2009.5.8寄合

 虫えい ヒヨドリバナクキズイフシ
撮影2009.9.1下石黒

   ヒヨドリバナ葉裏線点

撮影2007.7.17下石黒

     白い冠毛

写真2008.12.1下石黒

       太い根

写真2012.7.20寄合