ナンテン(植栽)
 上の写真のナンテンは、もともと、石黒の筆者の生家の庭にあったものであり、株そのものは、すでに100年を経ていると思われる。いはば、筆者が生まれ、育ってきた様子のすべてを見てきたナンテンであるともいえよう。そう思うと樹木とはいえ、自ずと襟を正して対峙する気になる。この歳になると、ヒトであれ木であれ草であれ、奇跡的にこの惑星に生命をうけて生きている同朋であるという思いが自然と身につく。
 このナンテンは、生家の雁木の前のニワ(籾干しや豆類の鞘を天日で乾燥させる場所、また子どもの遊び場でもあった)の先にあった花壇の西側に植えられていた。近くには十数本の杉の巨木がありその枝がナンテンの木の上にまで伸びていた。ナンテンの隣にはツゲの木があり、 南側の斜面近くにはスダレモミジの木が、のめったような姿で生えていたことも憶えている。
 「難を転ずる」と言われ縁起物であるナンテンは毎年正月に、飾るために根元から切り取ったので世代交代は繰り返しているであろうが、百年余経った今も幹の太さには変わりがないように見える。
 同様なものにやはり石黒の生家跡の西・北側に広がるブナ林の中のユキツバキの木がある。これも筆者が子どもの頃と同じ場所に今も同じくらいの太さの幹で生き続けているように見られる。こちらは、幹を太くしないのは越冬の戦略であり、それなりの世代交代を繰り返して今日に至っているものと思われる。
 ナンテンの材は、箸に利用されていることは周知のことだが、金閣寺の茶室「夕佳亭-せっかてい」の床柱に使われているとのこと、茶室の床柱とはいえ、それほど太く成長するものかと驚いてしまう。
 今日(2018.1.12)は朝ら青空が見られ寒中にしては、穏やかな日和とった。午後、西山町の長嶺の池へハクチョウに会いに出かけた。池にはオオハクチョウが100羽ほどいた。その折、池の近くの家の軒下にたわわに実をつけた白実ナンテンと出会い、その見事な結実に驚いた。市内で筆者の見る限り白実ナンテンは植栽数も少ないが、このような結実のよいものと出会ったのは初めてであった。 
今日(2019.10.21)に庭の柿の実を採り妻が庭のテーブルの上でさわし柿を作った。その時に近くにあるナンテンの実がほのかに赤味を帯びてきていることに気がついた。



 写真 2018.12.17 松美町


    ヒヨドリが果実を食べた所(右写真)に生えた実生

 写真2018.8.10松美町

          白実ナンテン
 写真2018.12.17松美町

          たわわについた白ナンテンの実

写真 2018.1.12 西山町


解 説
メギ科
 多くの家の庭や家まわりに植栽されている樹木。
 高さは1,5〜2mほど。幹の先端にだけ葉が集まってつく独特の性質がある。
 葉は互生し、三回羽状複葉で、小葉は広披針形で先端が少し突き出し、革質で深緑色で少し艶がある。
 花期は6月。先端の葉の間から、花序を伸ばし、初夏に白い花を開く。
 果実は球形の果実をつける。果実の色は赤色のものが多いがたまに白色のものも見られる。



      幹の様子
写真 2018.7.27 松美町

 果実に色が付き始めたころ
写真2019.10.21松美町

    実成の良い南天

2018.12.24四谷
 写真 2018.1.12 西山町

     果実と種子
写真 2018.12.17 松美町

   果実を食べるヒヨドリ
 写真2018.1.13松美町