メジロ
暮らしとの関わり
 ウグイスと同様、待ちに待った春の到来を告げる鳥であり、昔から親しみを持たれた鳥である。しかし、石黒では、姿を見ることも少なく鳴き声も地味であるせいか、あまりなじみのない小鳥であったように思われる。
 姿は、ウグイスより一回り小さいが、「うぐいす色」をしていることからウグイスと間違われることも多い。
 しかし、ウグイスの色はもっと茶色に近い少し異なる色であるが、メジロの色が「うぐいす色」として通用しているのはなぜであろうか。
 それほど、メジロをウグイスと見誤っていた人が昔から多かったとも思われない。ともすると、やや似通ったこの色の織物など「めじろ色」より「うぐいす色」の方が粋な感じがしたので、故意にそう呼んだものかもしれない。
 ところで、石黒では粟餅のことを「ウグイス餅」と呼んだが、石黒で筆者が子どもの頃に食べた粟餅は、真正の「うぐいす色」であった。しかし、ウグイスは早春から初秋まで鳴いている石黒であるが、なかなか間近に姿を見ることの難しい鳥であり、ウグイスの羽色をじっくりと眺めたことのある人は少なかったであろう。こちらも意外と名前の由来は同様な根拠にあったかもしれない。メジロ餅よりやはりウグイス餅の方が格が上のように聞こえる。
 また、「目白押し」の言葉の由来はメジロが数羽集まって寄り添い互いに押し合う習性に由来すると言われるが実際に、そのような様を見たことはない。
 昨日(2014.1.16)に筆者の家の外玄関に、すくたまるようにして一羽のメジロがいた。手を近づけても逃げることもできない様子だ。とにかく、弱り切っている様子なのでネコ用のキャリーボックスに入れてミカンとバナナを与えしばらくするとミカンの汁を吸っている。今朝、見るとバナナの小片を皮だけ残しきれいに食べつくしていた。昨日に比べ手を入れると羽ばたいてボックス内を逃げ回るので大分元気になったが、右足に少し障害がある様にも見受けられる。
 現在は一般には鳥獣保護法により捕獲禁止となっており、飼育も禁じられているが、しばらくは餌をあたえて様子をみて放鳥したいと思っている。



〔撮影日 2008.5.8下石黒  右上 撮影日不明 松美町〕

(ビデオ資料→庭にやってきたメジロ



 胴体と羽の様子
 
 写真2014.1.16松美町

水浴びをするメジロ
撮影日 2008.5.8下石黒

       玄関先で動けなくなったメジロ

写真2014.1.16松美町

解 説
メジロ科
 北海道中部以南の各地に留鳥または漂鳥として分布する。低山の林、とくに広葉樹林に多くすむ。
 全長約12p。雌雄同色。目の周りが白いことが特徴。冬季や春先には都会の公園や庭先にも飛来する。
 5〜6月に普通1.5m以下のところにクモの糸でつり下げられた深いお椀状の巣を作る。1腹3〜5個の卵を産み雌雄で抱卵・育雛する。囀りは「チーチュル、チーチュルルル」と聞こえる。
 餌は椿の花の蜜を吸い(上右下写真)、熟した柿やアケビの実を好む。昔から飼い鳥として人気があった。しかし、現在は鳥獣保護法により捕獲も飼育も禁じられている。



         雌
写真2013.1.24 松美町

      頭部の様子


写真2014.1.16松美町