ビ ワ | |||
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暮らしとの関わり 石黒で家の周りに植えられたビワの木を見たことはない。 おそらく、多雪地帯のため育てにくいものと思われる。 しかし、石黒の筆者の家には植木鉢に植えられた小さなビワの木があった。 それは、筆者が小学校4年生の時に東京の叔父から送られて来たビワの艶やかな大きな種子を捨てがたく、斑入りヤブランの植木鉢の土に押し込んで置いたところ翌年に発芽したものだった。 高さ30㎝ほどになり10年ほど過ぎると、いつの間にか宿主のヤブランは消えてしまいビワが独占した。 その後、20年近く、不思議なことに根詰まりの障害もなく高さは40㎝止まりで生き続けて、50年ほど前に無事、現在の自宅の庭におろされて今では高さ4m、根本の幹は径10㎝ほどに成長している。そんなわけで、自宅のビワの樹齢は70年であることは確かである。二度の転居があったにもかかわらず捨てずにいたのは、子どもの頃の思い出のせいであろう。 初冬の冬囲いの時には、ちょうど花期であり、防寒用の簾を巻いた中に入ると甘い香りが心地良い。数羽のミツバチが囲いの隙間から出入りしている。 自宅の庭にはロウバイは植えてないので冬に咲く花は、このビワ木だけである。 また、庭で成熟した果実は、果物屋で売られているものとは比較にならないくらい濃い味がして美味しい。唯一つ不思議に思うのは、70年前に食べたビワの実の形は明らかに楕円形であったが、その実生である木に結実する実は円形に近い形であるということだ。店舗で売られている果実も楕円形のものが多い。 また、ビワの実が熟す頃になるとヒヨドリが寄ってきて食べる。彼らも最も美味な完熟を待っている所は我々と同じである。 以前は防鳥網で覆ったが去年から止めた。それには次のようないきさつがある。→野鳥-ヒヨドリ 冬囲い時に剪定した枝は葉を生薬にするために欲しいという人がいて持って行ってくれる。 ちなみに、ビワの葉には種々の薬効があると聞くが、WEB上では「葉に多く含まれるアミグダリンは胃腸で分解されると青酸を発生する。そのため、取り扱いを間違えると健康を害すこともある」との記載が見られる。 上写真2019.6.10 松美町 果実期の様子 〇備 考 ※今年(2019)は気温が高いせいか、例年より1週間余り早く色づいた。 ※今年(2020)は記録的な小雪であったが、昨年より春の気温が低いせいか色づき始めるのが右の「幼果-1、幼果-2」の通り遅いようだ。 ※関連ビデオ資料-ビワを食べるヒヨドリ 花期 写真 2018.11.1松美町 写真 2018.11.1松美町 果実期 写真2017.6.17松美町 果実 写真 2019.6.10 松美町 |
解 説 バラ科 常緑高木。日本には古代に渡ってきたといわれ、果樹として栽培されたもの。 高さは10mほどになる。(果樹や庭木は適度に切りつめられる) 葉は互生し、葉柄は短い。葉の形は20cm前後の長楕円形で厚くて堅く、表面が葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。 枝葉は春・夏・秋と年に3度伸長する。花芽は主に春枝の先端に着く。花芽は純正花芽。 花期は11〜2月、枝先に黄色がかった白色の花をつける。目立たないが品の良い香りを発する。花弁は5枚。葯には毛が密に生えている(下写真)。自家受粉が可能で、初夏に楕円形をした黄橙色の実をつける。 果実は花托が肥厚した偽果で、全体が薄い生毛(うぶげ)に覆われている。 果実の成熟は5月〜6月。濃い黄色になる頃には甘味をまし美味しい。 名前の由来はその果実または葉の形が楽器の琵琶に似ることによる。 つぼみ 写真 2018.11.1 松美町 花 約に見られる毛 写真2016.12.5松美町 幼 果 - 1 写真 2020.5.28 松美町 幼 果 - 2 写真 2019.5.24 松美町 果実と種子(切断面の様子) 写真 2019.6.11 松美町 幹の大きさと様子 写真 2018.11.1 松美町 切り口の様子 写真 2021.11.7 松美町 |