サワヒヨドリ
暮らしとの関わり
 石黒では、日当たりのよい湿地の草藪に多く見られる。
 昔から、この花が咲き始めると、村人は、秋が到来を実感したものであろう。
 ヨツバヒヨドリに比べて花の色や茎の色が赤みを帯びていて目立つが、実際に同定するとなるとヒヨドリバナとの雑種もあり難しい個体も多い。
資料→近似種との比較
 上の写真は9月1日に大野集落で撮ったもので1mに達する大形のものである。背景は黒姫山。
 2009.9.8に寄合の道路上斜面で、セイタカアワダチソウと混生する群生を見た。これらは茎の高さが60〜70pで比較的小形であった。→クリック
 今日(2015.9.15)、田塚のグラウンドに行くとサワヒヨドリの花が沢山咲いていた。草丈から二番芽の花であろう。
 耳を澄ますと、遠くで微かにツクツクホウシの鳴き声がする。グラウンドの芝生を秋風-がわたる。サワヒヨドリが歓喜しているようだ。
参考ビデオ←クリック
(写真上2007.9.1大野 右上下2005.8.27上石黒 )


             花期前

写真2010.6.3下石黒

             サワヒヨドリ

写真2006.9.11上石黒

写真2007.9.2大野 背景−黒姫山
写真2005.10.3 下原〔大野親子地蔵付近〕

        花のつくり-1
 
写真2009.9.14上石黒

     縮れ毛の密生した茎

写真2007.8.1大野

      サワヒヨドリの花を訪れるヒョモン蝶   

写真2006.9.21寄合

          セイタカアワダチソウと混生
写真2009.10.12寄合

               群生

写真2015.9.15田塚(参考ビデオ
解 説
キク科
 北海道から九州の日当たりのよい湿地または乾いた草地や道端に見られる多年草根茎は短い。
 茎は直立して円柱状で上半部に密にちぢれ毛がある(左下写真)。高さ50〜100p。 
 葉は2枚(4〜6枚の個体もあり)対生し長楕円形で長さ15p、幅1〜2p内外。ほとんど葉柄は無く、やや明瞭な3行脈があり(下写真)縁には低い鋸歯がある。また、葉の上面はざらつき裏面は色浅く腺点がある。(左下写真)
 花期は8〜10月。茎の先に白〜紅紫色の散房花序(上写真)をつける。 総包は長さ4〜5o、5小花があり、頭状花は少数の管状花からできている。〔左写真〕
 そう果は長さ2.5oで腺点がある。冠毛は白色。
 ヒヨドリバナとの中間型の雑種が多く見られる。
 名前の由来は、秋ヒヨドリの鳴く頃に咲くことによるといわれるが異説もある。



       つぼみ
写真2007.9.1大野
        開花
写真2009.10.14下石黒

      葉の3行脈

写真2009.8.12大野

   葉が5〜6枚つく個体

写真2009.10.4大野


      葉の表裏
写真2010.9.11下石黒

     葉裏の腺点

写真2009.9.14上石黒

  花の咲き方と花のつくり-2


写真2009.9.14上石黒