書簡 行倒れ人の扱いについて  用語の手引
  行倒人

朝五ツ時→午前8時ころ

往還

非人番

中丈

○草竪島木綿→草縦縞木綿

単物(ひとえもの)



薄萌黄

襦袢→「上に」とあることから、ここでは巡礼用の短い上着を指すのではないか 

検使
 
 手紙を以って貴意を得候、然れば去月
 二十九日朝五ッ時、当宿地内字
 ニ軒家と申す処、往還並木間に
 行き倒れ死人これあり候段、非人番
 八兵衛と申すもの届け出候につき早速
 其の場所へ罷り越し見届け候処
 年齢六十歳位の男、中丈
 顔丸く鼻高く、目口耳常
 体、歯並び揃い、総身痩せ
 衰え、草竪(縦)島(縞)木綿古
 袷(あわせ)下に紺木綿古単物(ひとえもの)を
 着し、薄萌黄帯を〆(締)め
 上に白木綿襦袢を着(き)
  半股引


脚絆


甲掛け


草鞋


下帯


往来手形


巨細


○御検使
 
 
 白木綿半股引、同、脚絆を
 履き白木綿、早掛けを致し
 草鞋(わらじ)をはき下帯これなく
 右の場所に仰向けになり相果て
 罷り在り、惣身疵これなく所持
 の品、相改め候処、別段の通り
 往来手形並びに所持の品
 これ在り候に付き、その段支配
 お役所へ御訴え申し上げ候処、御
 検使なし下され、巨細御改め上
  風聞


始末


 
 
 右行倒れ死人の儀に付き何等(なんら)
 怪しき風聞などこれなきやの段
 御吟味につき、聊かも怪しき風
 聞承り申さず段、御答え申し上げ候処
 右の始末、北条村へ申し遣わすべく
 し候旨、支配御役所より
 仰せ渡され候に付き、この段お達し申し候
 行倒れ人久平親類身寄り
 のものへ御申し聞かせなされ、もし
  差添い


島田宿


  
 死骸引き取り度き段、相願い候もの
 これ有り候はば、村役人中差し添い
 当宿迄、御越なさるべく候、先ずは右
 貴意を得たく早々かくのごとくに
 御座候、以上
         
          島田宿
  閏四月十日    大久保新右衛門
           塚本孫兵衛

 
  北条村
   御役人中

 尚もって、本文の次第久平
 親類身寄りのもの当宿へ
 罷り越され候共、その儀に及ばざる候とも
 この状着き次第、両様の内御返書
 遣わされるべく候、その段当方支配
 御役所へも申し上げ置き候儀に候 早々
 御申し越しなさるべく候、已上
   
 ※関連文書→  ○往来一通の事 ○久平所持の品 追伸と封書    ※2018市立図書館古文書講座口述草   ※配布資料
   
 読み下し・用語の手引き文責 大橋寿一郎  
   
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