ヤマザクラ
暮らしとの関わり
 ヤマザクラは石黒では少なく低木状のものがほとんどである。石黒で大木となって山を彩るのは少し開花時期が遅いカスミザクラである。
 ヤマザクラは若葉が赤味を帯びているため遠目にも華やかにみえる。
 石黒では、昔からヤマザクラとカスミザクラ、オクチョウジザクラなどは、区別せずに「山桜」と呼んだ。
 昔はヤマザクラやオクチョウジザクラなどは山の斜面に生えているものを燃料のボイ〔芝木〕として切り取って冬、囲炉裏のたき木にした。タムシバアブラチャンオオバクロモジなどは一種の香りがしたが、山桜も微かに独特の香りを感じたと言う人もある。だが、筆者も山小屋でストーブの焚き木に桜を用いたことがあるが香りの記憶はない。薪としてはブナやコナラに比べて劣ると思われる。しかし、燻製にはヤマザクラの薪が最適との話を聞いたことがある。
 カスミザクラとの区別点はいくつかあるが、筆者は次の点から同定したが、詳しい方の御指導を仰ぎたい。
@無毛の花柄。
A葉の伏せた単鋸歯。   
B葉裏が白色を帯び光沢がない。
特に、成熟した葉の裏面に艶があるかないか、ない方がヤマザクラとする同定はかなり有力と言われている。
 しかし、両種の変異は大変多いことと交配種も当然あるであろうから、あまり突き詰めた区別に時間をかけるのもどうかとも思われる。

〔写真2007.4.29 板畑〕



            満開の山桜

写真2007.5.3寄合

         崖に咲いたヤマザクラ

写真2009.4.19 希な小雪 下石黒

           花のつき方−1
写真2009.4.19 寄合

           花のつきかた−2
写真2009.4.19 寄合

解 説
バラ科
 本州〜九州の山地に生え落葉高木
 樹皮は暗褐色で横裂し小枝は無毛。
 葉は長楕円形か狭楕円形、または倒卵形など変化に富む。色は濃緑色で裏面は粉白色を帯び、長さ8〜12p、幅3〜4.5p。鋭細な鋸歯(左下写真)を持ち、無毛または若葉には上面にばらばらの毛(散毛)がある。葉柄は赤味を帯び上方に一対の赤い腺がある。
 花は数個が散房状につき微紅色で径2.5〜3p、無毛、包は倒卵くさび形で円頭。長さ3〜6o。ガク筒は筒状、裂片は全縁。
 果実は熟すと黒紫色。
 ヤマザクラは同地域でも個体により、開花時期、花の色の濃淡、樹形など変異に富む植物であるとされている。したがってカスミザクラとの区別も多面的観点から行う必要がある。



        冬 芽

写真2015.2.5畔屋

  苞・くさび型、花柄・無毛


写真2009.4.19寄合

    葉柄上部の腺

写真2009.4.19寄合
       果実

写真2011.6.14 上石黒

     幹の切り口
写真2014.1.3畔屋