オオバクロモジ | ||||
暮らしとの関わり 石黒では「ヨウジノキ」と呼んだ。オオバクロモジは、春、葉より早く花が咲くため春を待つ村人にとっては親しみのある木であった。 石黒では山道などでよく見かける木の一つで上品な感じを受ける。 また、春木(芝木−燃料)でも切られ、他の雑木とともに束ねて乾かし、冬に囲炉裏で燃やした。オオバクロモジを燃すと佳い香りが座敷中に漂った。 子どもの頃、林の中で遊んでいるときにこの葉を掴み取りってよく香りを嗅いだものだ。 花はアブラチャンとよく似ているが緑色の枝の色で見分けがつく。幹の基部の色は成長とともに黄緑から白褐色に変化する。(下写真) 秋の黄葉も美しい。〔下写真〕 (写真上2005.9.29 右上・下2005.5.3板畑) クロモジの青実 撮影日2005.7.19大野 クロモジの黄葉 撮影日2008.11.13大野 成長にともなう幹基部の変化 秋のうちに大きな新芽が見られる 撮影日2010.10.15下石黒 早春の花のつきかた 写真2009.5.3下石黒 |
解 説 クスノキ科 主に本州の北陸地方から東北地方の日本海側に生える落葉低木。クロモジの変種。 高さ2〜3m。木全体に芳香がある。雌雄異株。関東地方に見られるるクロモジより葉が大きい。葉は互生して枝先に輪生状に集まってつく。両端が尖り長さ8〜12p。 春に葉に先立って淡黄色の花を多数つける。花被片は6個。雄花は径8oほどで短い雄しべが9個ある。(右上写真)、雌花はこれよりやや小ぶり(上の下写真)。 果実は上向きにつき球形で熟すと黒くなる。(下写真) まれにオオバクロモジメウロコフシの虫えいが見られる〔下写真〕。 名前の由来は樹皮に現れる黒い斑紋を文字に見立て、葉がクロモジに比べ大きいことによる。 冬芽 撮影日2008.12.10下石黒 雄花 撮影日2007.5.19下石黒 雌花 撮影日2009.4.30 小岩峠 クロモジの果実 撮影日2005.8.29下石黒 枝の黒い斑紋 撮影日2005.10.1下石黒 虫えい 撮影日2009.11.13上石黒
|