サシバ | |
暮らしとの関わり サシバは石黒では良く見かける鳥である。時には数羽で飛んでいる姿を目にする。 全国的には減少しているといわれるが新潟県では一番多く繁殖しているタカである。 また、交尾期には特に、集落内の杉の木に止まっている姿を見かける。「ピックイー、ピックイー」と聞こえる鳴き声も良く耳にする。 しかし、この鳥が秋には3000qも及ぶ長い道のりの越冬地である東南アジアに渡る習性を持っていることを知っている人は少ない。高山の斜面などで起きる上昇気流にのって高く上がって滑空して時速40qほどの早さで進み、再び上昇気流にのって舞い上がり滑空するという繰り返しの厳しい旅であろう。ちなみに、ごく一部は沖縄の南西諸島でで越冬するものもあるといわれている。 昨日〔2012.4.10〕石黒の生家の跡を訪れると盛んにサシバの鳴き声がするので小屋の外に出てみると屋敷内の杉の頂上につがいらしい2羽がいた。未だ230pもある残雪にはさぞサシバも驚いていることだろう〔下写真〕。 近年、タカ類、中でもサシバの減少が著しいといわれ、鳥レッドリストで絶滅危惧II類に指定されている。減少の原因は越冬地の東南アジアにもあるだろうが、繁殖地の日本の農村の荒廃にも原因があると見られている。中山間地の田畑が荒れ、農道や集落地が原野に還りつつあるところも多く、主な餌となるカエルやヘビが減っている上に雑草が繁茂して捕獲が難しいのではなかろうか。 〔写真上・右下2012.4.15平井 右上写真2009.5.17下石黒〕 電話線にとまるサシバ 写真2010.6.18 寄合 越冬地から還ったばかりのサシバ 写真2012.4.10下石黒
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解 説 タカ科 日本には4月ころに渡来し、本州から九州、伊豆諸島などの標高1000m以下の林で繁殖する。秋には東南アジアやニューギニアに渡り越冬する。 体長は雄は47p、雌は約51p。翼開長約105〜115p。上面は赤褐色。下面は白っぽく横縞がある。目の上には白い眉斑が見られる〔下写真〕。 鳴き声は「ピックイー、ピックイー」と聞こえる。 主な餌はヘビ、トカゲ、カエルの他ネズミ、小鳥やセミ、バッタなどの昆虫。 5〜6月に高い木の上に巣を作り1腹2〜4個の卵を産む。一夫一妻であるが希に2羽のオスが給餌する様子も観察されている。 全体の個体数は減少しているとみられる。 飛翔開始体勢 写真2012.4.15平井 体後部の様子 写真2012.4.15平井 頭部全面と眉斑紋 写真2012.4.15平井 横姿写真2012.4.15平井 |