暮らしとの関わり 石黒では「ミヤマゼミ」あるいは「ミヤマ」と呼んだ。夏本番となると甲高い声で鳴いた。 アブラゼミなどに比べて数が少ないうえに高い樹の梢にいるのでなかなか捕らえることが出来なかった。子どもたちは、羽化した直後か老体が弱って地上に降りてきた(そう思っていた)ところを捕らえた。 エゾゼミは、当時の子どもたちにとってはセミの王者であった。 しかし、近年、異変が見られる。昔、最も多く見られたアブラゼミが減って、かつては間近に見ることが難しかったエゾゼミがふつうに見られるようになった。 (写真2005.7.28板畑嶽) からだの下面と側面 写真2007.7.15下石黒 エチゴエゾゼミであろうか 写真2007.8.18下石黒 |
解 説 セミ科 日本各地の標高の高い山地に普通に見られる。 大型種で体長ハネの先まで60〜68o。開いた両羽の長さは11.5〜13p。 体は黒色で前胸背にW字形の黄色い紋様がある。体の下面は全体に白粉で覆われている。複眼は赤い(左下写真)。 7〜9月に見られギりりりりりーという単調な声で鳴く。個体により色彩に異変が見られる。 産卵は枯れ枝などに行い孵化したものが地上に落ちて地中に入り生長する。 名前の由来は、北海道では平地でふつうに見られたことによる。 ※エチゴエゾゼミ→左下の個体がそれであろうと思われる。がからだ全体がオレンジ色で黒い紋様の見られない。 1936年に新潟市青山の松林で初めて採取された。(参照−新潟県昆虫図鑑・下) 共鳴板 写真2005.7.28板畑嶽
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