ルリタテハ
暮らしとの関わり
 石黒では時々見かける蝶である。林の中やその周りで多く見かける。はねの表は瑠璃色の帯模様が美しく、石黒に分布するチョウでは他に類似のチョウがいないためにすぐに見分けがつく。〔※柏崎市街地には瑠璃色の帯模様をもったアオスジアゲハが見られるが・・・〕
 しかし、はね裏が褐色で、木の幹に止まって、はねを閉じていると保護色で見分けにくい。
 瑠璃色の帯は夏型より秋型が太く、オスよりもメスが太いと言われる。また、オスに比べてメスははねと瑠璃色帯が広くなるという。
 下の写真の2つの個体の瑠璃色の幅が異なるのは、夏型と秋型によるものと思う。
 カラムシ街道まつりが終わり、ようやく今日(2013.11.16)から、石黒の冬囲いにとりかかる。幸い晴天に恵まれたが、先日の初雪が庭のあちこちにまだら状に残っていた。
 時々、黒い蝶が頭上で飛び回るので留意して見ると「ルリタテハ」だ。アカタテハも2回に目にとまった。どちらも中型のチョウだが多雪地帯の石黒の厳しい冬を成虫で越すとは、その逞しさに敬意を表したい気持ちだ。
 昨日(2018.12.2)は、畑に残しておいた大根の収穫のため初雪後の石黒に出かけた。昨年と同じように生家の庭をルリタテハが時々飛び回り、日向にとまって体を温めている様子が見られた。翅を閉じた状態でいることが多く羽裏が良く見える。暗褐色で樹皮や落ち葉に似た地味な模様だ。小鳥などの外敵から身を守るに適した色と言えよう。また、とまっている時になかなか翅を開かないのも外敵から身をまもる本能によるものであるかもしれない

〔写真上2010.10.13.下石黒 下・右上2008.9.22板畑
右下コピー画像〕

             夏型

写真2008.8.9板畑
             秋型

写真20009.11.25下石黒
             初冬の個体
 写真 2018.12.2 下石黒

解 説

タテハチョウ科
 北海道から九州まで分布する。日本が分布の北東限。アオスジアゲハと共に瑠璃色の紋様が印象的なチョウである。
 中型のチョウで開帳50〜60o。はねの表面にはルリ色の帯がある。色彩等は雌雄で差はないが、雌は翅と瑠璃色帯が幅広になる事が多い。 。はねの裏側は褐色で樹皮に似ている。
 成虫は樹液、腐塾果実などを好むため、花に集まることはあまりない。獣糞などに集まることもある。
 縄張り意識が強く近づくチョウやトンボを追い払う行動がよく見受けられる。
 年2〜3回発生。成虫は花の蜜を吸うことは少なくコナラクリどの樹液や成熟果を好む。幼虫はサルトリイバラシオデを食べるが夏から秋にかけてユリなども食べる。幼虫は常に葉裏に静止しC型に体を曲げている。〔写真右下〕
 成虫で越冬する。
 名前の由来は、はねの瑠璃色の帯による。



    はねの裏

写真2009.11.25下石黒

写真 2018.12.2 下石黒

写真 2018.12.2 下石黒

     秋型-2
写真2013.11.16下石黒

     早春の個体

 2020.3.13 撮影長谷川 市街地周辺