米俵サシ  
 
 昔は、飯米をに入れて座敷の梁に下げて保存した。必要に応じて上の写真の竹筒を俵に差してに受け取り、米びつに小出しにして使った。この竹筒を「サシ」あるいは「サシ竹」と呼んだ。参照→衣食住「食」 
 筆者の経験では、座敷の俵の下にアシツギを持って行ってその上に上り左肩に箕を担ぐようにしていて俵に竹筒〔サシ竹〕を差した。すると白米〔七分搗き〕が竹筒から箕の中に連続して落ちてくる。適当な量で竹筒を抜き取り差し口を整えて終わった。しかし、夏を過ぎたころになると米に虫がついて米の流れ出が悪くなる、そんな時には右手で俵を叩いてやると米の出方が良くなったものであった。
 サシを俵に差し込むと米が勢いよく落ちてきたものだ。しかし、昭和25(1950)年頃にトタン製の米貯蔵タンクが使われるようになると、米の劣化を生じやすい米俵による貯蔵は姿を消した。
関連資料→米つきと保存