ミ〔箕〕  
   
 昭和40年(1965)代頃は、ミ(箕)はどこの家にも必ずあった。構造は先の方の幅は若干広く作られているのが普通である(上写真)が、同じかあるいは若干狭く作られたものもあったという。
 主たる使い道は穀類を右下の写真のように煽って選別することであった。
 その後、トウミ〔唐箕〕が普及すると大量なものはトウミを使ったが、少量のものはミを使って選別した。昔の人は、このミを実に巧みに使った。葉や鞘等は外に煽りだし、シイナ〔成熟しないもの〕もより分けた。子どもの目には一種の職人技のように見えた。
 ミはその他色いろな用途があった。穀類を斗枡で量るときや俵につめるときなどには必要な用具であった。先端の方の両方を持って口を狭めることが出来るので俵やカマスや南京袋に穀類を移すときには重宝であった。
また、穀物やその他を持ち運ぶときの入れ物としても重宝なものであった。
 その上、竹と藤皮で作られているため堅牢で長持ちし何代にわたって使用された。
 ミは一斗入るものが普通の大きさであったが5升ミと呼ぶ小型のミもあった。
※ 左下の4個のミは一軒の家に所蔵されていたものである。

資料→ミの造りと使い方