寛政元酉年より文化五辰年迄御割付写□本 石黒村   →文書読後の考察試み  用語の手引き
 
   
文化八年


寛政元年


石黒村


御年貢割付


越後国


刈羽郡





石・斗・升・合


取米


畑高


江敷引→江桁敷引のことであろうか
 



  文化八未年   刈羽郡

 寛政元酉年より
 文化五辰年迄  御割付写共本

               石黒村
  正月




   酉御年貢割付の事
  巳より寅迄十カ年定免  越後国刈羽郡
 一 高百二十二石六斗九升一合  石黒村
  此の訳
 田方五十二石一斗六升二合
    内 壱石四斗四升江敷引
 残五十一石七斗二升二合
  此の取米十一石二斗四升九合
 畑高四十石八斗三升二合
  此この取米十石五斗六升四合 
 


青苧高


〇 →ここでは漆高を指す


田高


新田


〇辰新田→辰年の新田の意味


〇未高入新田


〇去丑検地
去る申年の検地の意味


見取
  畑田成高四斗七升八合
 此の取米一斗二升七合

 山
 青苧高四石八斗
 漆この取米二石五斗七升
 田高六石壱斗九升八合  同所新田
 此の取米一石八斗二升五合
 田高十石四斗八升九合  同所新田
 此の取米三石三斗二升二合
 田高五石一斗六升四合  同所辰新田
 此の取米一石三斗六升八合 未高入新田
 畑高一石六合
 此の取米八升二合 申高入新田
 畑高五斗六升
 此の取米四升五合
 取米合三十石八斗五升二合
      去申田 去丑検地
           見取
 一田八町五反一畝十二歩
 此の取米二石九斗八升
  〇家舗→屋敷

山手冥加米



定納





胡麻


小役


御伝馬宿入用


六尺給米


御蔵前入用


山蝋実


里蝋
 
  一 屋舗六畝歩          右同断
   此の取米二升四合        見取
   右同断
 一 畑八反五畝二十七歩      右同断
   此の取米一斗七升二合      見取
 一 米四升            山手冥加米
 一 大豆七斗八升八合一夕     定納            
 一 永百九十一文四毛      荏代定納
   此の荏二斗一升八合二夕
 一 永六十五文一分一厘九毛    胡麻代定納
   此の胡麻五升四合七夕
 一 永七百六十七文七分五厘    小役 
 一 米七升四合          御伝馬宿
                     入用
 一 米二斗四升五合        六尺給米
 一 永三百六十七歩        御蔵前入用
 一 永百十一文四分        蝋実穂代
                    定納
   此 山蝋実三升六合一夕(勺)九才
     里蝋穂三貫五百十三匁八分
  納合


永一貫


榊原式部大輔→榊原政敦


〇関十右衛門→
榊原氏の配下であろう。


〇十か年




................................
 
 納合 米三十四石三斗八升七合
    大豆七斗八升八合一夕
    永一貫四百四十二文三分七厘三毛
  寛政元酉年    榊原式部大内
            関十右衛門
  戌御年貢割付の事
 巳より寅迄十か年定免 越後国刈羽郡
 一 高百二十二石六斗九升一合 石黒村
           
   此訳
 田高五十三石一斗六升二合
 内一石四斗四升前々、江敷引  □高五十一石七斗二升二合
  此の取米十一石二斗四升九合
 畑高四十石八斗三升四合
  此の取米十石五斗六升四合
 畑田成高四斗七升八合
 此取米一斗七升二合

 
  〇 去る丑検地→先年の丑年に行われた検地(新田検地であろう



〇取米)
    山
  青苧高四石八斗
  漆此の取米二石五斗八升
                同所 新田
 田高六石一斗九升八合
   此の取米一石五斗二升五合 同所新田
 田高十石四斗八升九合
   此の取米三石三斗二升二合
 田高五石一斗五升四合     同所辰改新田
   此の取米一石三斗六升八合

 畑高一石六合         未高入新田
   此の取米八升二合
 畑高五斗六升         申高入新田
 取米合三十石八斗五升二合
             去丑田
   外           去る丑検地
 一 田八町五反一畝十二歩   見取
    此の取米二石九斗八升 但し反三升五合余
 





胡麻代定納


代定納


小役
※本来小役は幕府領の三役(伝馬、六尺給米、御蔵米)に代わる役とされるがこの文書では、両方が見られるりはなぜか。
  
一 屋敷 六畝歩          見取
    此の取米二升四合       但し反四升
 一 畑八反五畝二十七歩     右同断 見取
    此の取米一斗七升二合     但し二升余
 一 米四升             山手冥加米
 一 大豆七斗八升八合一夕      定納
 一 永百九十一文四分四毛      荏代定納
    此の荏二斗一升八合二夕

 一 永六十五文一分一厘二毛     胡麻代定納
   此の胡麻五升四合七夕     
 一 永七百六十七文七分五厘      小役
 一 米七升四合           御伝馬宿入用
 一 米二斗四升五合         六尺給米
 一 永三百六文七分         御蔵前入用      
 一 永百十一文一分         蝋実穂代
  〇寛政2年 
     米三十四石三斗八升七合
 納合 大豆七斗八升八合一夕
    永一貫四百四十二文三分七厘三毛
           榊原式部太輔内
 寛政二戌年十月    町野久左衛門
            □清蔵





    亥御年貢割付の事
   巳より寅迄十ケ年定免 越後国刈羽郡
 一 高二十二石六斗九升一合 石黒村
    此の訳
 田高五十三石一斗六升二合
       内一石四斗四升 前々江敷引
  残五十一石七斗二升二合
  此の取米 十一石二斗四升九合
   
     
※以下、記載内容がほぼ同様なので読み下し文は省略しますが、難読文字・難解用語については掲載します。

寛政元年~享和3年 石黒村年貢割付(納合)一覧表

大豆

  永          永→石

村高

年貢率

寛政元年

34387合  

7881

1貫442373

216

1226

91

30.4

寛政2

34石3斗8升7

7881

1貫442373

寛政3

34石3斗8升4

7881

1貫442373

寛政4

34498

788

1貫4426

寛政9

42石5斗5

856

1850文6分

277

37.6%

寛政10

3889

856

19506

292

34.7%

寛政11

40374

856

19506

35.9%

享和元年

40374

856

19506

享和2

40374

856

19506

享和3

4068

856

16506

36.2%

※永高の石高への換算は「1貫文→1.5石」で算出した。

(初歩的考察の試み)

    上記一覧表を見るとこの期間に村高には変わりはないが、年貢の納め高は6石余りの増加が見られる。

 増加の理由は新田開発(高入新田)によるものであろう。文中にも「高入新田」「改新田」の記載が見られる。

    村高が変わらないにもかかわらず年貢割付が増加しているということは、つまり年貢は、表高ではなく内高  (高入新田などを加算した田畑高)を基に割り付けられたということになろうか。  

    年貢率は当資料の納合わせ額と村高から単純計算で算出すると3036%となる。※但し、寛政9年以降  は内高が全体的に増加しているので相対的に年貢率は定額の村高から算出した数値を下回ることになる。(   天保郷帳-170)

    冒頭に「巳より寅まで10カ年定免」とありながら「見取」の記載が見られるのは、本来の「検見取」の見取り  ではなく新田開発の暫定的な見取りを指すものと思われる。

 ⑤本来、小役は幕府領の三役(伝馬、六尺給米、御蔵米)に代わる役とされるがこの文書では、両方が見られる  のはなぜか。

    川欠け砂入り、山崩れ(寛政9)など災害などにおける年貢の控除の記載も見られる。

    文中に「去る丑検地」とあるが安永10丑年に本格的な検地が行われたわけではなく新田の検地が行われ  たものであろう。p5p6

   年貢率は「37民」に近かったとしても、耕地が狭く戸数の多かった石黒は困窮したであろう。

                                          (文責 大橋寿一郎)

 

 



















村高


小役

三役

高入り新田


〇改め新田→見地により高を改めた田のことか。


表高→村高
内高→実際の高→上記の意味で筆者がここで便宜上使用した語。


天保郷帳


毛見取り


見取り


川欠



   
 以下読み下し省略します。ほぼ内容は同じなので各自お読みください。  
   〇寛政3年
   
   
寛政4年
   
 
   
   
寛政4年


山田茂左衛門
   
   
   
   
   
   
   
   
         写真不鮮明読解不可-申しわけありません。  
   〇寛政9年
   
  川欠砂入り


山崩れ→石黒地区はほぼ全域が地すべり地帯に含まれいる。
   
   〇懸
   
   〇寛政10年
   
   
   
   
   
   〇寛政11年
   
 


享和元年
   
   
   
   
   
   
   
   〇享和2年
   
   
   
   
   
   〇享和3年
        ※考察の試み←クリック  
読み下し・用語手引き・考察の試み文責 大橋寿一郎