エゴマ
 エゴマを知ったのは、郷土の古文書を通してである。近世では関東以北では特に栽培が盛んであったという。古文書用語用字大辞典によれば「牛馬鳥獣も触れたがらず、地味も選ばす、旱損・風損にも強くきわめて作りやすい作物であり、油を絞ったカスは肥料に用いられた」とある。
 野生化したものが各地で見られるようだが、石黒や市街地周辺では出会ったことはない。1981版の「柏崎の植物」にも見当たらない。「栃尾の植物」には一部の地域に見られる植物として掲載されている。
 ただ、子供の頃(1945年ころ)に、屋敷の中、たしか土蔵の近くの空き地にシソに似た植物で、いやな匂いのする植物があったことを憶えている。今にして思うとそれがエゴマであったように思われてならない。
 石黒村庄屋の古文書の「門出村案内」の中に「粟、稗、小豆、大根、蕪、茄子、荏胡麻(エゴマ)蕎麦、牛蒡、里芋、右の品、少々宛て作り・・・」とあることからも、昔は石黒でも栽培されていたことがわかる。
 エゴマには未だ出会ってはいないが、このように古文書にはしばしば登場するのでエゴマのページをどうしても作りたく、下記のサイトに依頼して画像3点をお借りして掲載した。
 今後、石黒や市街地周辺での観察で野生化しているエゴマに一日も早く出会いたいものである。
 ウエキペディアによれば、古来、エゴマ油は種子から絞った油で荏の油、荏油(じんゆ)ともいわれ、食用に、また乾性油なので防水性を持たせる塗料として油紙、番傘、油団などに用いられてきた。
また、中世末期に菜種油が普及するまでは日本で植物油と言えばエゴマ油であり、灯火にもこれが主に用いられ、安定的に確保、供給するために油座という組織が作られた、とある。
写真 「松江の花図鑑」 http://matsue-hana.com/様より借用



解 説
シソ科
 天平時代に中国から渡来した東南アジア原産の植物。日本でも昔は広く栽培され、野生化したものも見られる。
 茎は四角形で、直立、枝分かれし高さ60〜90pで白毛がある。
全体に特有の匂いがある。
 葉は対生し長い柄がある。形は卵円形で長さ7〜12p、幅5〜8pほど。先端はとがり縁には鋸歯がある。葉は普通緑色であるが時には下面が薄紫色を帯びる。
 花期は9〜10月。枝先に総状の花穂を出して白色の小さな唇形花を密につける。ガクは長さ3〜4p、上唇はやや短く、3裂し下唇は長く、2裂する。花弁には長い軟毛がある。花冠の長さは4〜5mm。下唇はやや大きい。
雄しべ4本のうち2本き長い。
 果実は分果永存性のガクの底にある。
 名前の由来は荏胡麻の意味で、果実から絞った油は荏油−エノアブラである。



         種子