ウツギ | |
暮らしとの関わり ウツギはバイカウツギとともに、石黒ではそれほど多く見られない。たまに田の畦や道上の斜面で見かける程度である。とくに、大株のものは希である。 木は、傾斜地に生えて垂れ下がるような姿が多く、だらしない感じに見えるが開花すると美しい。 石黒では開花の時期から、「卯の花のにほう垣根にほととぎす・・・夏は来ぬ」の唄のウツギはタニウツギの方ががふさわしいように思う。(この唄の作者小山作之助は大潟町の出身)。 昔は、この木の堅い幹でタンスや木箱などに使う木釘を作ったものだという ミドリヒョウモンなど多くの蝶が集まるところから蜜も豊富なのであろう。→参考画像 チョウ類のトラフシジミなどの食樹。 (上写真2004.6.18下石黒 右下2005.11.6下石黒 右上・下2004.11.4居谷) 芽吹きの頃 撮影2013.4.29畔屋〔石黒ではこのような大株は見られない〕 田植え後の田のくろのウツギの花〔ヒョウモン蝶が吸蜜〕 撮影2009.6.9上石黒(※下写真は垂れ下がった枝を持ち上げて撮影したもの) 花拡大 撮影2008.6.10下石黒 ウツギとバイカウツギ 撮影2010.6.23寄合 果実期 写真2011.10.11下石黒 果実の星状毛 写真2004.11.4居谷 |
解 説 ユキノシタ科 北海道から九州に分布する落葉低木。おもに林の縁や崖などに生育する。 幹は中空で、よく枝分かれし高さ1.5mほど。枝葉横に広がる。古くなると樹皮が自然にはげ落ち若い枝には小さな星状毛がある。 葉は対生で短い柄を持ちやや細くて長い(写真左下バイカウツギとの比較)。表裏ともにざらざらしていて特に裏側には非常に小さな星状毛がある。脈状には硬い毛が混じることがある。縁には浅い鋸歯がある。 5〜6月に穂状になった沢山の花をつける(左写真)。ガク片は5個で三角形。花弁も5個で長楕円形で1p以上ある。雄しべは10本で花糸〔雄しべの柄〕には歯状の翼がある〔下写真〕。雌しべは基部から3個に分かれ後まで残る。 果実〔さく果〕は、球形の独楽のような形で固く星状毛がぎっしりと生えている。先には3花柱が残っている。 名前の由来は、幹や枝の中心が空洞であることによると言われる〔下写真〕。 芽吹き始まる 写真2015.3.28畔屋 空洞の枝 太い幹 撮影2009.6.9下石黒 ウツギつぼみ1 撮影2009.5.14下石黒 ウツギつぼみと葉の鋸歯 撮影2009.6.1下石黒 花糸の翼 撮影2009.6.1下石黒 青い果実 写真2011.10.11下石黒 果実と種子 2009.12.8上石黒 |