チャボガヤ | |||||||||||
暮らしとの関わり 筆者の生家西側の谷沿いにはユキツバキとチャボガヤが共存している。両種ともに3メートルもの雪に急斜面に這うような状態で越冬しているものが多い。 どちらも、幹の太さや丈は、70年前に筆者が子どもの頃、見た時と変わりない様に思われるが、幾度か世代交代をしているのであろう。 チャボガヤは、石黒ではそれほど多くみられる植物ではない。よく似たハイイヌガヤの方が多く見られるが急斜面や崖などに多いためにどちらも、希に見かける植物といってよいだろう。 敗戦前後の食糧難の時代に育ち、食べられる草木の葉や実はたいてい食した筆者がこの木の果実を食べた記憶がないことからも個体数少なかったことが分かる。 あるいは、チャボガヤの果実の熟す頃にはクリやアケビ、エブ、柿など果実が豊富の季節であったせいで見向きもされなかったのかも知れない。 〔写真2007.5.23 下石黒〕
, 果実 写真2005.8.16下石黒 |
解 説 イチイ科 本州の山形以西の日本海側に分布し主に多雪地に自生する。 カヤが本州日本海側の多雪地に適応した変種。 雌雄異株の常緑針葉低木。高さ1〜2,5m。根元から多くのしなやかな枝を分けて弓なりに立つ。地に触れた枝から根を下ろし群れをつくる。 枝は赤みを帯びる。葉の形は線形で長さ20〜25o、幅3o。表面は濃緑色で艶がある。下面は淡緑色で中肋の両側に黄白色の気孔線がある(左下写真)。先端は細く尖り針状となり触ると痛い。 花期は5月。雄花は黄色で円形、雌花は緑色の球形で前年枝の先に数個つく。 種子は肉質で仮種皮に包まれ、果実状で卵形で翌年10月頃に紫褐色に熟す。熟すと仮種皮が裂けて淡赤褐色の堅い種子が現れる。胚乳は食用となる。 葉の表裏 写真2011.11.29下石黒
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