センダン
 
 
暮らしとの関わり
 石黒では植栽のものも見たことはないが、市街地では、庭や公園などでしばしば出会う。それも、落葉後に果実が黄色に色づいたものが眼をひく。
 名前は「栴檀は双葉より芳し」(大成する人物は、幼い頃から非凡であることのたとえ)で知っていたが実際に出会ったのは中年になってからであった。だが、この言葉の「栴檀」は「白檀」の誤用であり、葉や材には微弱な芳香があるのみである。
 今までは植栽の木は本サイトには掲載しなかったが、よく見かける木については、今後は掲載することにした。来春からは葉や花の様子について詳しく観察して掲載したい。
 2018年正月初めは比較的穏やかで今日(5日)は朝から薄日の射す天気となった。午後から茨目にセンダンの木の観察に出かけた。近づくと数羽のヒヨドリが鳴き声をあげて逃げ去った。木の枝先を見上げるとほとんど果実はなく、道路の歩道にもたくさんの果実が落ちていた。(下写真) おそらく鳥のせいばかりでは無く落葉後は間もなく落下したのであろう。今年は12月20日頃に訪れて見たいものだ。
 今日(2018.5.25)昨年から観察させていただいている松美町内の住宅の道沿いに植えられた1m足らずのセンダンが漸く開花した。よく見ると雄しべは紫色で花糸が合生して筒状になった独特の形をした花冠である。

 写真2016.12.22 上・右上−上下-茨目  2018.5.25 下-松美町-右上


               花 期

写真 2018.5.26 茨目

                花

写真 2018.5.25 松美町

        果実 1mほどの小木(幼木)の実

写真2017.7.7 松美町

              大木(庭木)


写真2017.7.22茨目

                果実期

写真2017.10.21茨目

            種子散布後の様子


写真2018.1.5 茨目

解 説
センダン科
 四国、九州、沖縄の海岸近くの日当たりのよいところに生える落葉高木。庭木等として植えられたものは各地で見られる。
 樹高は5〜15mほどで、成長が早い。若い樹皮は紫褐色で楕円形の小さな横斑が点在するが、太い幹の樹皮は縦に裂け、顕著な凹凸ができる。
 葉は奇数2〜3回羽状複葉で互生し、一枚の葉全体の長さは50 cm以上ある。小葉は草質で薄い。楕円形で浅い鋸歯がある。
 花期は5〜6月頃。若枝の葉腋に淡紫色の美しい5弁の花を多数、円錐状につける。花にはアゲハチョウ類がよく訪れる。
 果実は長径1.5〜2pほどの楕円形の核果で、10〜12月頃に黄色に熟す。落葉後もしばらくは梢に果実が残る
(写真)。たまにヒヨドリムクドリカラスなどが食べに訪れる。
 しかしサポニンを多く含むため、人が食べると中毒を起こす。
 葉や木材には弱い芳香がある。 丈が高い上に、新芽・開花・実生・落葉と季節ごとの見かけの変化も大きく、公園や庭などによく植えられている。



       樹皮

写真2016.10.22茨目
       老木の幹

写真2017.7.22茨目

       葉の形

写真2017.7.22茨目

      葉のつき方様子

写真2017.7.22茨目

     花拡大画像
写真 2018.5.26 松美町

       果実と種子


 
写真 2018.1.7松美町