ムクドリ
暮らしとの関わり
 石黒では「ギャーギャー鳥」と呼んでいるのは、主にヒヨドリである。ムクドリも希に見かけるが非常に少ない。それに比べ市街地周辺では一年中見かける。一般に「ギャーギャー鳥」と呼ばれるのムクドリのことであろう。
 サクラの花の咲く頃になると巣作りが始まり、枯れ草などをくわえて飛び立つムクドリの姿が目にとまる。
 また、雄雌2羽が協力して子育てをし、育雛期には雄雌そろって餌探しに飛び回る。
 鳴き声がけたたましいなどと嫌われるが、一組の親子のムクドリが一年間に捕食する虫の数は百万匹以上との調査報告もあるという。日本中に一年中生息しているムクドリのもたらす害虫退治の効果は天文学的な数値となろう。
 しかし、数千羽の大群になって住居の近くに留まられては騒音と糞害に悩まされることも確かである。
 10年ほど前〔1998〕に長岡市駅前の街路樹をねぐらにしたため問題になったことは記憶に新しい。
 また、新潟日報社刊の「新潟県鳥獣図鑑」によると下越地方の一部ではムクドリを「ダニタカリ」と呼んでいるとのことであるが、事実、ムクドリにはダニが多くついているとのことである。
 今日〔2014.10.18〕夕方、藤元町の農道を歩いていると群れて何かをついばんでいたムクドリの一団が、筆者が近づくと一斉に飛びたった。写真に納まった3倍ほどが群れていた。→写真
 今日(2017.2.27)は気温は低いままであるが午後から晴れ間があった。散歩に藤元町から鯖石川河口近くの土手に出て春日町を通って帰宅したが、途中で電線にとまっていた番いらしいムクドリを撮影した(上・右下写真)。ムクドリの雌雄は見分けが難しいといわれるが、手前の個体はやや褐色がかった羽色であることからメスであると思うがいかがであろうか。ご指導を乞いたい。
 今朝(2018.7.26)の散歩の途中でムクドリの群生に出会った。下の写真の2倍ほどの数であったであろう。どうやら繁殖期が終わったらしい。

写真 2017.2.27春日町 右上2012.4.19新田畑

ビデオ資料→ムクドリの群れ


        電柱に泊まったムクドリたち

写真2015.8.10安政町

            腰の部分の白さ

写真2005.3.12 畔屋

    繁殖期がおわり群れが見られるようになった

 写真2018.7.26田塚


解 説
ムクドリ科
 日本全国に分布する留鳥。主に低地の平野や低山地にかけて生息し、都市部などの人家付近や田畑などでよく見られる。
 大きさはスズメの3倍ほど(体長24pほど)で親鳥は全体が黒褐色で嘴と足は黄色。顔の白い部分は個体差があるがオスの成鳥はくっきりとして白いといわれている。
 雌は、全体に褐色がかった羽色と言われている。〔上左写真−左が雄・右が雌〕
 繁殖期以外は大群で行動し都市部の街路樹などに集まりその鳴き声が騒音問題となることもある。
 鳴き声は「ギャー、ギャー」、「ギュル、ギュル」とけたたましい。
 雑食性で植物の種子や果物、昆虫の幼虫などを好んで食べる。
 繁殖期は春から夏で木の穴や人家の壁板などの穴に巣を作る。卵は5〜8個くらい産む。
 名前の由来は椋(ムク=ムクエノキ-西日本に自生)の木の実を好んで食べたことによると言われている。



  飛翔を開始するする様子
写真2015.8.10安政町

 メス(手前とオスと思われる)
写真2017.2.27春日町

       体の様子

写真 2020.4.2 新田畑