ハシブトガラス | |
暮らしとの関わり 石黒ではハシボソカラスが多いがハシブトガラスも見られる。 昔は、夕方になると空を群れで飛ぶカラスを見かけたものだが今はほとんど見かけない。 筆者は、日本一のカラスのねぐらといわれる西山町の石地駅裏山付近で数千羽の群れを見たことがある。晩秋の曇天の夕方、おびただしい数のカラスが群れる光景は異様な感じがしたものだ。 ところで、最近はとくにカラスは、もっぱら害鳥として扱われているようだが、ゴミ置き場を荒らすという理由で害鳥とはあまりにも短絡的な見方ではなかろうか。 数年前に、東京都でカラス被害がマスコミで報道されている時期に所用で上京して繁華街の道路脇の生ごみ管理のずさんさに驚いた。これでは、責められるカラスの方が気の毒であると思ったものだ。農村の野菜へのカラスの被害にしても、カラスに善悪の判断力があるわけではないのだから、野菜泥棒同様に責めるのも我々ヒトという生物の思い上がりにほかならない。 この文を書き足したのは、昨日、海浜植物の撮影に街裏浜に出かけたところ大型の毛虫を加えているカラス(下写真)を見たことである。存外、カラスも多くの害虫を餌としているのかもしれないと思ったからだ。 右の「勘三郎」は筆者が山小屋に行くと、かならずやってくる馴染のハシブトカラスである。筆者が食べ物の余りをくれてやるのを近くの電線にとまって待っている。中々もらえないと「オイ、オイ、オイ」などと催促がましい鳴き方をする。1qほど離れた畠に行くとそこまでやって来て催促をする。 野良仕事に行ってカラスが昼食の包を置いた耕運機に近づいたため棒を投げて撃退すると、その人をの山笠を憶えていて、その人の笠のみ大きな嘴てつついて穴だらけにした、というたぐいの話はよく聞くことだ。 彼らの知能は相當なものらしい。もっとも、家ネズミに関しても同様な話を昔から耳にするから、とくにカラスに限った話ではないかもしれない。 ところで、真に公平な目で評価するなら、有史以来様々な要因で紛争を起こし現在も殺し合いを繰り返している我々ヒト類よりは彼らは余ほど増しな生物とも言える。 今日〔20149.21〕、荒浜海岸に海浜植物の観察に行くと波打ち際の砂浜で数羽のカラスが集まっている。何にか餌になるものがあるのかと近づいて見ると、どうやら仲間と一種の遊びのようなことをしているように見えた。 →ビデオ資料 参考動画→ハシブトガラス 〔写真2006.11.12大野〕 柿の実を食べに来たハシブトガラス 写真2007.11.28上石黒 海岸のハシブトガラス 写真2012.8.29荒浜海岸 青虫を捕えたハシブトガラス 写真2013.10.11 市海浜公園 石黒のハシブトガラス 写真2015.4.9上石黒嶺坂 |
解 説 カラス科 日本全国に分布。 全長約56p。全身黒色。留鳥。雌雄同色。ハシボソカラスよりやや大きめで嘴は太く額が盛り上がっている。鳴き声はハシボソカラスに比べ澄んでいる。 市街地に多いが山間地でも見られる。餌は、虫や木の実、小鳥やネズミ、動物の死骸などで雑食性。ハシボソカラスに比べて肉食性が強い。 巣はハシボソガラスと同様大木に作る。卵は3〜6個産む。 カラス科の仲間は、鳥類の中で最も進化した種類だといわれている。 1996年8月の新幹線の置き石事件の犯人はカラスであるとされたが、その目的は遊びではないかとの説もある。 山小屋で馴染みの「勘三郎」 写真2014.6.5下石黒 飛翔の姿 写真2006.11.12大野 海辺にて 写真2012.12.17荒浜 巣(地上10mほど) 写真2013.7.5下石黒(嘴太か嘴細かは不明)
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