ナワシロイチゴ | |
暮らしとの関わり 石黒では、道端などで普通に見られるイチゴで、昔から子どもたちが好んで食べた。赤く熟すと酸味甘味共にあり食味は良かった。「ジイチゴ」と呼ぶ集落もあった。ジイチゴの方言名の由来は地面を這うように広がって実をつけることによるものであろう。 子どもの目には、草むらの中のナワシロイチゴの実が真夏の太陽を受けて赤いダイヤモンドのようにきらめいて見えた。 村の茅場の草刈りの折りに、カヤの根本のあたりにナワシロイチゴの熟した大きな赤い実がよく見受けられたものであった。また、モミジイチゴやクマイチゴなどに比べ、道端の草むらなどで容易に見つけることができたので子どもにとってなじみ深い野生イチゴであった。(とはいえ、容易に採れて味も良かったクワイチゴにはかなわなかったように思う) (上写真2005.7.25板畑 右下2005.6.18下石黒) 互生する葉 撮影日2005.7.5下石黒 花拡大 撮影日2009.6.12上石黒 たわわについたナワシロイチゴの実 撮影日2006.8.2上石黒 |
解 説 バラ科 日本全国の道端や草地などに見られるツル性落葉低木。 茎は長く1m以上に伸び直立茎は30pほどで小さなトゲをもつ。 葉は互生し3出葉ときには5小葉〔下写真〕となり羽状複葉。縁には切れ込み状の粗い鋸歯がある。 葉の裏には白色の細毛が密生する。 花は5〜6月に咲き、桃色の5枚の花弁は直立した状態で、雄しべを包んだまま開かず、雄しべの先端が見える程度。まるでつぼみのままのように見える。(左写真)。 果実は橙色から赤く熟す。 名前の由来は、苗代の時期から花が開くことによる。(石黒では果実が熟すのは7月下旬) 稀に見られる5小葉 撮影日2010.6.13落合 未熟の果実 撮影日2009.6.12上石黒 果実拡大 撮影日2006.8.4上石黒 長く伸びる蔓 |