モミジイチゴ | |
暮らしとの関わり 石黒では「キイチゴ」と呼んだ。その意味は「黄イチゴ」か「木イチゴ」か定かではないが、自分の子供の頃は「黄イチゴ」と思っていた。 野生のイチゴは色々あったが味、姿ともに最高であった。クマイチゴ同様、どこにでもあるというものでなかったことも価値を高めたであろう。だが、木そのものは鋭いトゲがあり嫌われ者であった。 山遊びに行くと至る所でモミジイチゴのトゲに悩まされたが果実には簡単にはありつけなかった。石黒に限って言えば、だいたいクマイチゴほどではないにしても結実率のひどく低い木だと今も信じている。 ナワシロイチゴや桑イチゴのように豊富に採れたイチゴもありがたかったが、滅多に採れない黄金色のモミジイチゴの存在も子供の夢を豊かにしてくれた。→写真 ※花期のモミジイチゴ-動画資料 (写真上2005.6.30下石黒 右上2005.4.28上石黒 右下2005.6.10下石黒) 早春の頃 撮影日2009.4.9寄合 芽吹きの頃 写真2016.3.26茨目 花期の前-つぼみの頃 撮影日2010.5.17上石黒 花期 撮影日2010.5.17上石黒 花のつくり 撮影日2007.5.12下石黒 群 生 撮影日2010.5.17落合 たわわに実ったモミジイチゴ 撮影日2007.6.16落合 葉の形と紅葉 撮影日2006.12.11下石黒 |
解 説 バラ科 中部地方以北の本州の山野に普通にみられる落葉低木。 高さ1〜2m。無毛で鋭いトゲがある。〔下写真〕 葉は長い柄があり互生し手のひら形で3〜5裂する。縁にはあらい鋸歯がある(下写真)。 花期は4〜5月。花は冬芽から伸びた短い枝先に下向きに1個つく(左下写真)。 花は白色の5弁花で直径3pほど。雄しべは多数で白色の花糸をもつ(左下写真)。 果実は直径1pほどで6月頃に橙黄色に熟す。 野生のイチゴではもっとも美味。西日本に分布する葉の長い「ナガバモミジイチゴ」はモミジイチゴの母種。 名前の由来は葉がカエデに似ていることによる。 冬の芽 撮影日2013.2.28寄合 早春の芽 撮影日2009.4.9寄合 互生する葉 撮影日2013.6.2下石黒 ガクの形と軟毛 撮影日2009.4.19上石黒 モミジイチゴのトゲ 撮影日2006.5.10下石黒 花から実へ 撮影日2009.5.15下石黒 熟した果実 撮影日2007.6.16落合 葉の長い葉柄と縁の鋸歯 撮影日2009.5.19寄合 |