メダケ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ウチダケ?家竹」と呼んだ。これがメダケであるという確証はない。詳しい方からの御指導を仰ぎたい。 筆者の生家の屋敷き内に一か所生えていた。自生というよりは栽培していたというべきであろう。豪雪地帯の石黒では冬囲いをしてくれないと雪の重さで折れてしまう。 筆者の屋敷のウチダケは杉林の縁にあり、晩秋になると父が竹の上部を周りのスギの木に縄で結わいつけて雪害を防いだ。用途は桶のタガや竹細工など色々あった。柿やクリの実を採る時には先端に短い木の棒を鉤状に取り付けて枝を捉えてゆすって落とした・ 子どもの頃には魚釣り竿や豆鉄砲や水鉄砲などを作るに適した太さと長さでよく利用したが、家人は、いい顔をしなかった。それは、冬囲いをした個体のみしか冬を越すことができないので本数にはおのずと限度があったからであろう。 今でも憶えているのは、屋敷のウチダケの肥料にと筆者の父親が醸造に失敗した濁酒をウチダケの根もとに播いていたことである。当時、竹は酒を好むという俗信があった。今、調べてみるに根拠のない俗信のようだが、もしかすると竹の葉をササと呼び「ササ」は酒の俗称であることに由るものかもしれない。 今も、その場所にはメダケはみられるが、右上の写真のように冬季に全て折れてしまうので、筆者が子どものころのような太い稈のものは見ることはできない。 写真2010.7.2下石黒 右上の上2009.6.30 右上下2011.4.1 杉林の縁で育てる 写真下石黒2004.6.20 下石黒 雪の重みで撓うメダケ 〔写真2007.12.2 下石黒〕 |
解 説 イネ科 本州中部以西、四国、九州に分布。主に川岸や海辺の丘陵に群生する。 地下茎は横に伸び、所々で地上に稈(かん)を直立する。高さ2〜5m、直径は1〜3cm。稈は無毛で節は低い。枝は各節から3〜9個ずつ出る。 葉は枝先に3〜6個ずつつき長さは5〜30cmの狭披針形で葉の先はやや垂れ下がる。葉は両面とも無毛、葉鞘も無毛。葉舌は切形、葉鞘のふちにある肩毛は直立して白色。 用途は竹細工、桶のタガ、昔は子どもの遊び用具。、 名前の由来は、細くすらりと伸びた姿による。 別名 オンナダケ。 竹の子 2004.6.20下石黒 成長後の平均的太さ 写真2004.6.20下石黒 |