ハシビロガモ
 
 
 
暮らしとの関わり
 Shoveler(シャベルですくう人)の英名がピッタリの広い嘴のカモです。このカモは春秋に柏崎を通過するのみと思っていましたが、越冬していました。五日市の池で20数羽が越冬中です。
 渡来初期は数羽くらいの群れでいることが多いです。時に1羽でいることもあります。同じ池にいるマガモコガモオナガガモは昼間休んでいますが、同池で餌を採るキンクロハジロホシハジロミコアイサなどともに活発に動いています。
 餌採りも独特で20数羽が一緒に水面を嘴ですくっています。20数羽が同じ場所でクルクル回りながら餌採りをしています。→下写真
 春先は大きな都市の公園の池で見られることもありますが、野生味が欠けて見えます。それに比べ柏崎の池のハシビロガモはズーッと野生的です。雄はもっときれいな夏羽に変わっていきます。(長谷川)

ハシビロガモの食餌-ビデオ
写真 2015.12.2市街地周辺 長谷川


           繁殖期のオス

写真2015.11.14市街地周辺 長谷川

    水をすくうようにして餌を食べる様子


写真2016.3.30市街地周辺 長谷川

解 説
 北アメリカ大陸やユーラシア大陸の高緯度から中緯度地域で繁殖し、日本では冬季に越冬のため飛来し(冬鳥)、北海道で少数が繁殖する。
 全長43〜56pほど。翼長オス23〜25pほど、メス22-23pほど。
 翼開張70〜85p。体重0.4〜1.1s。次列風切の光沢は緑色。
 嘴は幅広いことが特徴で(上写真)和名の由来になっている。 繁殖期のオスは頭部が光沢のある暗緑色、胸部や腹部側面の羽衣、尾羽は白い。体側面から腹部の羽衣は赤褐色で、尾羽基部を被う羽毛は黒い。嘴は黒い。
 メスは雨覆が灰色で、虹彩は褐色。非繁殖期はオスもメスも全身の羽衣が褐色で、黒褐色の斑紋が入る。嘴は褐色で、外縁が橙色。嘴には黒い斑点が入る。
 食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、プランクトン、昆虫、軟体動物、魚類などを食べる。動物食傾向が強く、カイアシ類、ワムシなどの動物食を食べる比率が30%以上に達することもある。水面に嘴をつけて水ごと食物を吸い込み(左下写真)、嘴で食物だけを濾し取り水だけを吐き出して採食を行う。



       メス

写真2012.12.10市街地周辺 長谷川