ニリンソウ | ||
暮らしとの関わり ニリンソウは石黒では、まれな植物のようだ。上の写真は初めて石黒で出会ったニリンソウである。 しかし、その他のところでは出会ったことはない。 昨日(2009.4.27)、下石黒集落の城山の中腹で中規模の群生を確認した。〔下写真〕 ニリンソウは、春植物の一つでアズマイチゲ、カタクリ、コシノコバイモなどと同様、雪消えと共に開花し初夏には地上部は消えてしまう。 春植物−Spring ephemeralは、石黒のような多雪地帯に暮らす者にとっては、待ちに待った春をもたらし、あっという間に消えてしまう植物たちで、薄命の佳人を連想させるような存在でもある。 ちなみに、石黒では山菜として食す習慣はなかったが最近では食する人もいる。右解説欄に記したとおり、山菜として採取する場合は、猛毒のトリカブトと見分けるために花や蕾がついていることを〔右上写真〕確認する必要がある。筆者の観察では混生も見られるので注意を要する。 ※トリカブトとの見分け方←クリック 資料-ふるさと石黒の春の妖精たち (写真2005.5.3板畑) ガク片〔花弁はない〕と雄しべと雌しべ 写真2005.5.3板畑 葉の裂片と裂け方 撮影日2009.4.30上石黒 3枚の総包 撮影日2009.4.27下石黒 全草と紅色がかったガク片 撮影日2009.4.27下石黒 城山のニリンソウの群生 撮影日2009.4.27下石黒 城山 |
解 説 キンポウゲ科 本州・九州・四国に分布し初夏には果実を残し枯れる短期型宿根草。 根茎は太く短く横たわりまばらにヒゲ根を出し先端に鱗片があり新葉を出す〔下写真〕)。 茎は根茎の基部から真っ直ぐに伸び細く長く無毛。高さは10〜20p。 根出葉は3全裂し更に2深裂し、各裂片はやや2回羽状に裂ける〔左下写真参照〕。葉裏には淡白色の斑点がある(写真準備中)。 総包葉は3個で茎の先に輪生し無柄で深く裂ける(左下写真)。 花期は4〜5月。総包葉の中心から1〜3本の長い花柄を伸ばし先端に白い花を1個つける。同株の花2個の開花は若干ずれる。 花の径は1.5〜2pほどでガク片は花弁状で5個がふつうであるが7枚のものも希にある。ガク片は広卵形で外側に毛がありしばしば紅色を帯びる〔左写真〕。花弁は無い。 雄しべは多数で黄白色、雌しべも多数で子房は白色の細毛に覆われ柱頭は無柄(上写真)。 そう果は集まって卵状楕円形で毛があり緑色。雌しべは多数あるが数個しかできない。 キンポウゲ科は毒草が多いが本種は食用となる。だが若い葉は猛毒のトリカブトに似た形であるので要注意。→下参考写真トリカブトの若芽。見分けは方はツボミがついているのはニリンソウ〔右最上写真〕 名前の由来は姉妹品のイチリンソウに対してつけたもの。 斜めから見た花 後ろから見た花 撮影日2011.4.26下石黒 ニリンソウの根茎 撮影日2009.4.27下石黒 よく似た猛毒トリカブトの若芽 撮影日2008.4.21下石黒 ※ニリンソウの若芽−上と比較 写真2005.5.3板畑
|