オオカワトンボ〔ニホンカワトンボ〕 | ||||||||||||||||
暮らしとの関わり 石黒では川の周りでしばしば見かける。また、集落内の林のまわりなどでも見かけることがある。 とくに、透明型は集落内で普通に見かけるが、橙色型は、川以外の場所では筆者は見た記憶がない。 今日(2007.5.12)は、寄合の風張(かざはり-作場名)入口から川伝いに落合まで歩いて落合川で、子どもの頃以来初めてオオカワトンボに出会った。 そもそも、橙色型のカワトンボはハグロトンボとは異なり、昔から希な存在であった。というより、子どもが川遊びに夢中になる夏の頃には村の林縁などに移動してしまっていたからであろうか。(とは言え林縁などで見かけた記憶もないが・・・・) 昨日(2009.5.19)に落合から寄合の旧道を政栄さんと歩いた。この旧道は、落合の屋号「まなこだ」の前から落合川沿いに寄合の屋号「松衛門」の脇道に通じている。しかし、使われなくなってから数十年がたち荒れ果てて一部が崩落していて、いったん川辺におりて歩かねばならなかった。 その折、川辺のアシ原の中で一休みしている時に、数頭ののオオカワトンボが見られ、そのうちの1頭が、ふと私の目の前の草の葉にとまった。折しも、渓谷に差し込んだ西日が橙色の羽を美しく輝かせた。 その狭く深い渓谷は、微かな川のせせらぎとカジカガエルの鳴き声だけが聴こえ、まるで夢心地のようなひとときであった。 80才を越えた今もその時のことを時々思い出すほどである。 〔写真上2009.5.18落合川 右上右下 下石黒2007.5.12〕
撮影2008.6.10下石黒 |
解 説 カワトンボ科 日本特産種。新潟,長野,静岡の各県より南西の本州・四国・九州に分布。河川の明るい清流に棲息する。 腹長40〜50o。〔全長49〜63o〕羽により透明型と橙色型があり、石黒では両者が見られる。〔上右写真下〕 羽化は4月中旬ころ見られ1週間ほどでほぼ出揃い、石黒では6月に最も多く見られる。 7月頃には成熟成虫はほとんど見かけなくなる。羽化後の成虫は川の近くの林縁などでくらす。 雄は成熟すると体に粉をふき、はねが橙色になる個体(橙色型)が見られる。 ※2007年、DNA鑑定により、「ニホンカワトンボ」と種名が変更されたとのこと。 |