ハグロトンボ
暮らしとの関わり
 夏になると、毎日のように川遊びに明け暮れた昔の子どもたちにとってハグロトンボはなじみ深いトンボである。
 深い渓谷を流れる石黒川で、妖精のようにヒラヒラと黒い羽を動かして飛んでいるハグロトンボの姿は僕ら目には優雅というより神秘的に映った。ハグロトンボは、川面を悠々と飛翔するオオカワトンボとは異なり川岸近のヨシなどの近くの狭い範囲でヒラヒラと飛んでいた。時々葉の上にとまり閉じた翅をゆっくりと広げて見せてくれた。
 しかし、緩慢な翅の動きに似合わず、近づくと素早く逃げたように記憶する。おそらく僕らも本気で捕まえようとは思わなかったのであろう。なぜなら石黒川はハグロトンボに目もくれないほど僕らを惹きつける魅力に満ちていたからだ。川辺に美しい羽をもったカワセミや川底を歩き回るカワガラスも身近に見られたが、今、ぼんやりとした記憶しかないのは、子どもたちの興味関心は専ら水中のウグイカジカなどにあったからであろう。
 ちなみに、ハグロトンボは、川辺に限らず普通にみられ、今は、柏崎市の松美町の自宅の庭にも時々姿を見せる。先日(2018.7.26)朝、我が家近くの国道8号線の歩道でも見かけた。今日(2020.7.10)は松美町の自宅庭の堆肥づくりコンポスターのフタにとまっているハグロトンボと出会った。(右下写真)
 
 リンク画像でみる→ハグロトンボ

(写真上・右上2005.7.22寄合川 右下2005.7.26下石黒)


           ハグロトンボ(♂) 

             ハグロトンボ(♀)

撮影2007.6.29寄合
            翅を広げた状態
  撮影2007.7.20下石黒

         草やぶの中の個体(♀)

写真 2008.6.24 下石黒


解 説
カワトンボ科
 全国に分布するカワトンボの一種。
 羽に比べ腹部は細く、雄は金緑色
(下写真)、雌はほぼ黒褐色である。翅(はね)は、とまったときには閉じて立てて時々瞬間的に広げる。 
 成虫の体長約60o、羽の長さ約40o。7月から8月に最も多く見られる。
 羽化後の若い個体は薄暗い林などで生活するが、成熟すると再び水辺に戻り、明るい川沿いなどの植物などに止まり縄張りを張る。交尾後、雌は水面近くの水中植物に産卵する。
 産卵は雌単独で行うが時には完全に潜水して行うこともあるという。
 名前の由来は羽が黒いことによる。別名はホソホソトンボ。



        雄の横姿
 撮影2007.7.2寄合

      体上部拡大(♂)


 撮影2006.6.19上石黒

  前翅・後翅を横から見る

撮影2009.6.29寄合

      上からの姿

 撮影2009.7.14 寄合

 庭のコンポスターにとまった個体
 撮影 2020.7.10 松美町