シロヒトリ
暮らしとの関わり
 石黒ではよく見かける蛾の一つである。よく灯火に集まる。
 はねをすぼめてとまった純白の姿はスマートで端正な感じがする。足の上部の赤い部分がちらりと見える。
 近縁種のアメリカシロヒトリのオスはシロヒトリに似ているが、やや小型のことと腹の部分の紋様がないことから区別できる。
 道をモコモコと歩き横断している幼虫によく出会うが、その速さに驚く。と同時に餌の在りかを感知する能力にも驚く。
 子どもの頃に屋敷内に植えられたクリの木の葉についたクスサンの幼虫を竹の棒で落として踏みつぶして駆除したことがあるが、草藪に落ちた幼虫もしばらくすると栗の木を目指して歩いてくる。そこで、30mほど離れた所に放して見たがやはり栗の木を目指して歩いてくるのに驚いたことを憶えている。


写真2007.8.6下石黒  右上の下2018.8.26下石黒


               交 接

撮影日2007.8.6寄合

   シロヒトリの翅の裏


撮影日2007.9.15寄合

解 説
ヒトリガ科
 北海道から九州までの平地から山地にかけて普通に見られる。
 前ばねの長さは28〜38o。雄の触覚は両側とも櫛の歯のようであり雌の方はノコギリの歯のようである。体とはねの大部分は白色で足の一部と腹の脇上に紅色と黒色の模様がある。
 1年に1回発生し成虫は6〜9月に現れる。
 幼虫で越冬。
 幼虫はオオバコタンポポ、スイバ、イタドリなどの葉を食べる。
 名前の由来は白いヒトリガという意味であろう。


        前頭部
撮影日2007.8.6寄合




        幼虫

撮影日2006.10.17下石黒