オオバコ
暮らしとの関わり
 石黒では「オンバコ」と呼んだ。子どもの頃、花茎を引き抜き2つに折って相手と交差して引っぱりっこして遊んだ。
 また、昭和20~30年代の学校の夏休みの課題に薬草採取がありオオバコも採取種目の一つであった。
 飼いウサギも好んで食べる草であったが、強靱で採りにくい上に草丈が短く持ち運びが不便なため採取しなかった。
 ちなみに、筆者がオオバコをウサギが好むことを知ったのは、飼いウサギの小屋(箱状)の底の敷き草を換えてやるときに、数匹のウサギを箱から出すと、揃って庭に生えているオオバコを食べ始めたことからだ。ウサギの世話を任されていた子供のころの意外な発見であった。
 いっぽう、オオバコは庭や畑の強害草の一つでもあった。
 近年、過疎化により、人通りの絶えた山道(農道)を歩くと道一面を覆いつくしたオオバコの群落に出会うことが多い。〔下写真〕
 学名「Plantago asiatica L.」の「Plantago」はラテン語の「足の裏」と「運ぶ」を組み合わせた語だという。
 種子は乾いている時には、さらさらな状態だが、地面へ落ちて水分を帯びると粘液を出して、靴や自動車のタイヤなどについて運ばれ撒布される仕組みだという。
(参照-石川の植物-http://w2222.nsk.ne.jp/~mizuaoi/top.htm)
 とすると、石黒の人通りもなくなった山道では、どのように種子を撒布したのであろうか、などと考えてしまう。坂道を雨水が運んだものであるか、それとも春秋の山菜採りやキノコ取りの人達の足で運ばれたものか。いずれにせよ、あと数年で丈の高い野草が道に進入してオオバコは姿を消す運命にある。
 江戸時代から村人と共に、村の道や山道に自生してきたオオバコも過疎化の影響を受ける生きものの一つなのだ。

写真2005.8.1 下石黒  右上の上2005.8.1 上石黒
※ビデオ₋-オオバコの穂を使った昔の子どもの遊び


  山道を覆ったオオバコの群生

写真2006.9.3 上石黒

     茎の中の維管束(筋)
写真2009.10.7 居谷

           根 

写真2009.10.7 居谷

                  葉の形

写真2009.10.7 居谷
解 説
オオバコ科
日本全土の日当たりのよい道端や野原に普通に見られる多年草
 草丈は10~30㎝。地下茎は細く房状に伸びる〔左下写真〕
 葉は数枚根元から多く出て柄は長く楕円形、柄の断面はほとんど半月形で〔下写真〕葉鞘は膜質〔下写真〕。成長の良い個体はの葉は表面及び縁がやや波打つ。
 花期は5~10月。花は穂の下部が先に咲く(上写真)花は漏斗形で先端は4裂する〔下写真〕
 最初に雌しべが出て他の花から花粉をもらい近親交配を避ける仕組みだという。
 さく果は楕円形で熟したものに触れるとフタが取れるように上部がはずれて中の4~6個ほどの種子がこぼれ出る〔下写真〕。種子は黒褐色で扁平な形で表面が濡れると粘液を出して人の靴や車のタイヤについて散布される。
 名前の由来は葉が大きいことから「大葉子」と名付けられたことによる。



    ガクと花弁と柱頭

写真2007.9.2 下石黒

       茎断面

写真2009.10.7 居谷

 膜質の葉鞘〔葉の柄つけ根〕
写真2009.10.7 居谷

 粘液を出して人の靴などにつく種子

写真2009.10.7 居谷

        種子

写真2009.10.7 居谷 政栄

     種子拡大

撮影2010.11.7