ノウサギ
暮らしとの関わり
 石黒では「ヤマウサギ」と呼んだ。
 ヤマウサギは畑のマメなどを食べる害獣であるが、昔は、村の猟師が主に冬期に狩猟し、それを村人は買って肉を食べた。肉は飼いウサギに比べ著しく劣るが、背肉を刺身にして食べることもあった。
 筆者の世代は子どもの頃、誰でも一度や二度は子ウサギを捕らえたことがあるだろう。右の解説に書いたように、じっとしていることによって外敵から身を守ることを本能としているためか、子ウサギは子どもでも捕まえることができた。家に持って帰り、箱に入れて飼ったが全然なつかず、信じられないくらいの狭い隙間から逃げた。
 しばしば、桐の木がノウサギの食害にあった。直径20〜25pほどに成長した樹の皮をぐるりと一回り食べてしまうので樹は枯れてしまう。
 しかし、近年、石黒ではキツネが増えノウサギが減っているといわれる。上の写真は下石黒と大野との間のブナ林で撮った。ノウサギが私の姿を見てブナ林に逃げ込んでブナの根元に隠れたつもりでじっとしていたが、回りこんだ自分には丸見えであった。
 今朝(2012.8.29)海浜植物の撮影のため鯖石川河口から松波町裏浜の防波堤の上を歩いていて野兎と出会った。先日、糞を確認していたので遠くから野兎と確認できた。
 子どものころに、猟師が捕ったノウサギを解体する様を観察したことがあったが、胃袋から出てきた主なものはササの葉であったことを憶えている。冬山の斜面の根元にあるチシマザサなどであろう。また、多雪地帯では地表の植物は雪におおわれるがコシアブラやリョウブなどの芽は雪が踏み台の役目を果たし容易に食べることができるであろう。

〔写真上 2006.4.29下石黒 右上2006.2.24下石黒 右下2005.11.10寄合〕


             海岸の野兎


写真2012.8.29松波町裏浜

         初冬の毛変わりの頃

写真2015.11.13野田道路 交通事故死の個体

   ノウサギの長く大きな後ろ足

写真2009.7.31上石黒


解 説
ウサギ科
 本州から九州に生息する野生のウサギ。
 家畜として飼われたアナウサギとは骨格も生態も違い、別系統。
 頭胴の長さ4354センチ、尾の長さ15.4センチ。飼いウサギに比べ足が長く、特に後ろ足部分は15pと長く大きい。これが雪の上を走るときのカンジキの役を果たす。(左下写真)
 毛色は夏毛は灰色ないしは暗褐色、冬毛は褐色ないし白色。雪の多い地方では白色になる。〔日照11時間で白色化が進む〕
 行動半径は100から200m。普通、単独で生活する。飼いウサギのように穴は掘らない。樹の根元のくぼみなどを隠れ家として夜行性で夜に草木の葉、芽、樹皮などを食べる。石黒では、チマキザサネマガリタケの葉、コシアブラリョウブウリハダカエデなどの芽、ネムノキなどの樹皮が好んで食べられるようだ。
 雌は年数回1〜3匹子を産む。生んだ子どもは一箇所に置き、親は授乳時のみに訪れることで天敵の狐、猛禽類から身を守らせる。



    ノウサギ頭部



写真2015.11.13野田

    毛の様子

写真2015.11.13野田

    ノウサギの足跡

写真2007.2下石黒