リョウブ | |
暮らしとの関わり 石黒では「サルスベリ」と呼んだ。山の斜面に多く、春木〔燃料にする木を切る仕事〕で他の低木とともに切り出し燃料とした。 サルスベリに似た独特の幹が子どもの目にもめずらしく、印象に残る木の一つであった。特に、芽吹きの頃の凛とした姿が美しい。→参考画像 根が浅く倒れやすい木と言われているが、切った後の発芽の様子からは生長力旺盛のように思われる。 また、花は、穂状に小さい花がかたまって咲くが一つ一つをよく見ると梅の花に似ている。開花期のリョウブには無数のヒョウモンが花の蜜を吸いにやって来ているのが見受けられる。写真→クリック 若芽は山菜になると言われるが、石黒では食べたという話は聞かない。 (写真上2005.5.19寄合 右上2005.7.28板畑 右下2005.4.30寄合) 芽吹きの頃 撮影日2011.4.28下石黒 つぼみの頃 撮影日2011.6.13落合 花期 撮影日2009.7.15大野 果実期 撮影日2007.9.17上石黒 早春ののリョウブ 撮影日2006.3.28上石黒 真冬のリョウブ 撮影日2010.1.20下石黒 |
解 説 リョウブ科 北海道から九州の山地、林のまわりなどに多く見られる落葉小高木。日本では1科1属1種のめずらしい植物。 高さ2〜7m。樹皮ははげやすくなめらかで茶褐色(下写真)。枝葉は輪状に出る〔写真左下〕若枝には星状毛がある。 葉は柄があり枝先に集ってつき長さ8〜13p、幅3〜8p。表面は無毛か星状毛〔一箇所から多方向に放射状になる毛〕がばらつき、裏面脈状には毛が密生する。 開花は6〜7月ごろ。花は径5〜6oで梅花状の小花を穂状につける。ガクは小形で5裂する。花冠は径5〜6oで深く5裂し、雄しべは10個、雌しべは1個。〔下写真〕 さく果は小形の球形〔下写真〕 材は上質の木炭となり、若芽は山菜となる。 昔、救荒植物として採取と貯蔵を命ずる令法(リョウボウ)が発せられこれが名前の由来との説もある。 芽吹きの始まり 写真2016.3.29上輪 幼木 撮影日2010.5.8居谷 幹の様子 撮影日2009.12.29寄合 リョウブのつぼみ 撮影日2005.6.12下石黒 リョウブの花 撮影日2005.7.28下石黒 未熟な果実 撮影日2005.9.17下石黒 リョウブのさく果 撮影日2005.10.1大野 輪状に出る枝 撮影日2009.12.8上石黒 真冬のリョウブの果実 写真2015.1.14下石黒 |