コシアブラ
暮らしとの関わり
 石黒では「ウドノキ」と呼んだ。方言名の由来は葉の形がどことなくウドに似ているためであろうか。香りがウドに似ていると想われたのかも知れない。
 しかし、山菜として食べる習慣は石黒にはなかった。石黒の人々が山菜として食べるようになったのはごく最近である。
 ブナ林の中に上右下の写真のようなコシアブラの実生の若木が多く見られる。
 上の写真の木は居谷集落の峠にある大木(直径35p)である。
 真っ白のコシアブラの紅葉は初冬の雑木林でひときわ目だつ存在だ。かさかさと林床の落ち葉を踏みしめて上って行くと柔らかな木漏れ日を透した純白に紅葉したコシアブラの葉に思わず足を止めて見とれてしまう。下写真
 葉の形は一見トチノキに似ている。トチノキは石黒ではたまに植栽されたものが見受けられる。


(上写真2005.6.12落合 右上2005.8.31板畑 右下2005.10.27上石黒)


           芽吹きの頃の様子

撮影日2011.6.25上石黒

            花期の頃の様子

撮影日2011.6.25板畑

  

撮影日2005.9.1下石黒



撮影日2005.10.7大野

           果実期の頃の様子

撮影日2011.5.3落合

             紅葉の頃の様子

撮影日2007.11.11大野

          冬芽-春に向けて精力的な感じ

撮影日2015.2.16下石黒

解 説
ウコギ科
 全国の山地に見られる落葉高木。高さ15m、幹の径60pにも達する。
 葉は5枚の小葉(長さ10〜20p)よりから成る掌状複葉で長い柄がある。
 夏に緑白色の花をつける
〔右上写真〕。花は小形で多数つき淡緑黄色。ガク片は小さく5個、花弁も5個で平らに開く。雄しべは5個で外に突き出ていて、子房は2個(左下写真)
 果実は、熟すると黒紫色で径4〜5o。
〔下写真成熟前の果実〕
 若芽は食べられる。秋には黄色に紅葉する。
 名前の由来は、昔、樹脂をこして塗料を採ったことによる。



      膨らむ芽

撮影日2007.4.13下石黒

         若芽

撮影日2010.4.21居谷

        若葉
撮影日2011.6.25上石黒

 紅葉→青葉〜黄色〜白色

撮影日2012.5.13落合

撮影日2005.11.18下石黒
撮影日2008.11.11大野

     コシアブラの果実
撮影日2005.10.7大野

    冬芽と葉痕(馬蹄形)
撮影日2015.2.16下石黒