オオガマ   
 石黒では、どこの家にもオオガマはあった。夏の堆肥用の草刈や干し草刈りや田のクロ(畔)なぎにも使った。
 石黒では、ほとんどが傾斜地の草刈であったので下方から帯状に刈り上げていった。こうして、刈った草が下側に真っ直ぐに揃えた状態で倒れるように倒すのがプロの仕事であった。
 こうすることにより後で集めて結わくにも手間が省けた。カヤなどの草の中に侵入した低木も大鎌を木の根元に刃を当てて置いて手前に引くことで切り取ることができた。
 大鎌に限らず草刈時は砥石と少量の水を携帯して時々鎌の刃を研いでやることが肝要であった。
 また、ヤマユリコオニユリヤブカンゾウなどがあると刈りとらないでのこしておいたものであった。
 また、カンノ〔焼畑〕をおこすときにもオオガマで草を刈り倒して乾かしてから火をつけて焼いた。
 地蔵峠の道普請では、このオオガマで2mを越えるオオイタドリをなぎ倒した。
 オオガマは柄が長いため蜂さされ防止にもなった。
 大鎌の下に中大鎌、鎌、小鎌と鎌には色々な大きさのものがあった。→参考画像

補説→大鎌とナタ鎌