差上申一札之事    用語の手引
  博奕

三笠附

賭け勝負

制禁

右躰

奢りケ間敷

開作

随分油断なく

出精

一畝

一歩

弁納

持ち分

〇麁末→粗末

風立→かぜだつ



徘徊

差し置く

非儀

謀計

趣意

我意

申し募る

  
   差し上げ申す一札の事
 一 博奕三笠附其の外賭けの勝負御制
   禁候條猶又相慎み申すべく候事扨又当村へ
   他所のもの入り込み或いは他所へ罷り越し右躰の義
   は勿論致す間敷事
    附けたり 村方もの寄合いたし候共大酒奢り
    ケ間敷儀聊かも致す間敷事
 一 正月も半ば過ぎ候得ば農具支度致し田畑
   開作の義随分油断なく出精致し一畝一歩たり
   共荒地に相成らず候様に左無く候得者村々(郷?)に於いて
   弁納等に相成り難渋せらるべく候間常々心掛け肝
   要の事
    附けたり村の内は勿論持ち分の道橋麁
    末これ無き様に手入れ致すべき事
 一 火の元随分大切に致し風立ち候節は猶又
   村中申し合わせ夜廻りいたし用心厳敷く心がけべし
    附けたり見馴れず不審成る躰のもの徘徊
    致し候はば片時も差し置き間敷事
   村方の内にも非儀謀計成る趣意我意を
   申し募り宜しからず者これ有り候は内々申し聞かせるべき事   
    附けたり村支配役人の内にも不心得の
    ものこれ有り候は是又内々申し聞かせべく事
  
  往還筋

〇乗り折り→乗り下り

人馬継立

〇惣旅人→すべての旅人

御林

居久根

〇刈敷

〇 





注進

駆落

在所

五人組


 一 往還筋の儀は武家へ対し自他頗り
   差別無く乗り折り無礼致す間敷候並びに人
   馬継立の儀武家は勿論惣旅人
   より人馬願い候は早速差出聊遅滞無き
   様取計らうべき事
 一 御林は勿論居久根(いぐね)刈敷山共苗木
   成木致し候様に大切相守り猶又桑楮漆木草
   迄も植育申すべき事
    附けたり苗木植育候儀若し妨げに候歟伐り荒し
    候ものこれ有るにおいては用捨なく召し捕り訴え
    出ずべく候御仕置申しつくべく事
 一 追い払い立ち去り申しつけ候もの一切差し置かず自
   然徘徊令む者捕らえ置き注進すべき事
    附けたり□奉公差出し候ものの内欠け落
    令しめ在所へ立ち帰り候ものこれ有らば搦め置き早々
    注進すべし見逃し抱え致し置き者村役人
    始め親類五人組の者迄急度咎め
    申し付け候事
     
 
  一円

小前

水呑

〇駅場→駅

風儀

文化五年

〇御仁恵

荻野嶋

百姓代

組頭

庄屋
  右箇條の外五人組掟書始め追々
  仰せ出だされ候仁恵の趣逸々承知仕り一円相
  守り申すべく候尤も農隙□庄屋宅に小前水
  呑に至るまで呼び寄せ仰せ付け申し含み農業相励み
  永続致させべく候猶又駅場に於いては奢
  侈の風儀これ無き様に勿論商い物正直に
  売買すべき候この趣を以って申し渡すべく候 以上
    文化五年
      辰正月      御役所 
  右は五人組御箇書の外追々
  仰せい出され御仁恵の趣御読み聞かせ
  逸々承知畏み奉り候これに依り御請け一札差し
  上げ申し候 以上
           刈羽郡荻野嶋村
    辰正月        百姓代 七右衛門
               組頭  儀右衛門
               庄屋  松兵衛
    加藤青左衛門殿
    長塚軍助殿