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 恐れながら書付を以って願い上げ奉り候   山中村文書
 用語の手引
   

松之山

米山

○尾神嶽

黒姫山

○八石山

向後

鵜川

鯖石川

渋海川

水旱

○不変不定→災害が多く安定しない土地の意味であろう。

天明元年

切添→きりそえ

切り開き

御普請役様

天和年中
 

 恐れながら書付を以って願い上げ奉り候
一 越後国刈羽郡私共村々の儀
 頚城郡松之山境の地続きにて米山
 尾神嶽 黒姫山 八石山何れも高
 山下の沢間村々にて九、十月より翌
 四五月まで雪中に罷り暮らし田畑耕し向後
 その上 鵜川 鯖石川 渋海川通る村々にて
 水旱とも不変不定地に御座候處 天明元
 丑年切添え切開き御検地の為御勘定
 様 御普請役様お立ち越遊ばされ切り開き
 は申し上げるに及ばず天和年中御検地帳
 














 
一筆限(いっぴつぎり)

安永年中


高入り


竿入れ


焼畑


○御普請


石盛高


位附け


取実


𢈘(異体字)→鹿


小前










 一筆限り並びに安永年中領土穏
 検地御高入り共悉く御竿入れ遊ばされ
 一年作り焼き畑荒れ畑迄御普請
 多分御改め書き(出?)に相成り石盛高く
 穏位附け仰せつけられ全体里方の土
 地と違い山方儀は雪深くの
 場所故 取実甲斐なく殊更
 鹿 猿 兎 諸作を荒し難儀の
 谷間村々に御座候えば小前
 
   




相続→続けていくこと





見取米


山つなみ


○往古伝承→昔から
言い伝えられたこと。



満水


山崩→地すべり→石黒を始め高柳地区は県下でも有数の地すべり地帯


川欠


損亡

 
 永久相続仕り難く その砌(みぎり)御支配
 御役所へ御嘆き申し上げ候處 越後国中
 御検地相済まし申さず内は見取り米上納
 仕るべき旨仰せつけられ候 然る所同丑年
 御検地相済まし候後 数日
 大雨降り続き水脇出で山つなみ
 にて右川の通り往古承傳にも
 これ無き満水山崩れ田畑過半川欠け
 石砂入り損亡仕り既にその節江戸
 御表より御見分なしくだされ御救いの
 











○新見分


○御高入れ



諸役永


退転


○永見取



不定地


○御考弁→
意味不明だが御高察御考慮くらいの意味か・・・。


○定金納


 いよいよ米納償い方 当惑仕り候
 この上丑年 新御見地帳の分御高入り
 御年貢米金 諸役永まで仰せつけられ候
 様相成り候ては、とても百姓相続
 仕り難く村々退転致すより外
 御座なく迷惑至極仕り候間 永
 見取りに仰せ附け下し置かれ候様 願い上げ候
 右申し上げ候通り不定地の訳
 聞かされ召し訳なされ御慈悲の御考弁を以って
 村々丑年御見地の分 永見取り
 定金納に仰せ附け下し置かれ候様
 
        














大変


○木の葉
→石黒ではタニウツギをカテバナと呼ぶこともあり、凶荒の時に若芽を食べた事によると伝えられている。



○奉公稼




袖乞い


手余り地


年貢弁納


山方


○畑勝ち
→畑が多いこと←山地で平地がすくないこと、用水不足等による。


○出反別→?



 義にござ候 右大変以来 打
 続き大凶作 困窮仕り木の葉 木
 根 種々雑食仕り身体弱り候
 折から疫病流行死失人多く
 出来 別して貧窮仕り その上奉公
 稼ぎ袖乞いに罷り出 人少なき故田畑多分
 手余り地に相成り御年貢弁納
 難儀仕り候 一体山方の儀は畑
 勝ちにて米不足御座候處なお又
 出反別見取り米上納相増し
 
 
険阻

旁々→ここでは「且つ」の意味であろう。

田方

稲株増え申さず→分けつしないこと。

青立

○虫付

○不定地


○旱損


○ 二毛作


○開作夫喰


○御廻米


○不熟米


○満水

 一同願い上げ奉り候
一私共村々険阻かたがた深雪の
 谷合い故 田方冷水にて稲株
 増え申さず実(?)立 青立 虫付き 旱損
 等の不定地並びに麦作等の二毛作□
 一切仕らず開作夫喰不足に御座候
 故 先年より御慈悲をもって御廻米
 少し不熟米などの安値段をもって石
 代米多く仰せ付けられ開作夫喰に
 仕り来たり候ところ丑年満水大変 
   






























○陸出し


○駄賃米



○百姓役


○明和年中


○4斗入り





 以来凶作打ち続き米穀 高
 直夫食 跡引き(?)に相成り凌ぎ兼ね候處
 あまつさえ近年不熟等 御信用
 下し置かれず年々御廻米多分
 仰せ付けけられ迷惑至極に存じ奉り 且つ
 御廻米陸出し駄賃永 先年より
 下し置かれ来たり候處 五里内
 百姓役の由にて これまた明和年
 中より相止め且つ御廻米納め方の
 義も当郡御米一俵四斗
 
   




















○江戸着船


○4斗3升


○内拵え


○掛石


○関納


○諸入用


○相嵩み




○里方



○山付け畑高



○色高

 
 入り候處 江戸着船の上四斗
 三升位の目当を以って内ごしらえ
 仰せ付けられ多分御掛石相立
 関納難儀仕り候 なお又近年
 □郡中にて新潟港 出雲
 崎浦両所にて御廻米積み立て
 仕り候故 諸入用相嵩(かさ)み迷惑
 仕り候 且つ先年は里方御廻米
 多く山付け畑高 色高多分 
 





○里方





○分当



○大石数



○千万



○山附け




○減石



○割賦


○江戸納め方


○~の義も


○御蔵枡


○4斗納切


















 
 の村々は御廻米少々分に仰せ付けられ
 候處 近年 里方同様の分
 当てを以って大石数の御廻米仰せ付けられ
 千万嘆かわしく存じ奉り候 何年来
 戌年より山附け村々に相当て減石
 □ツ割賦下しなされ なお又江戸
 納め方の義も四斗一升の
 内ごしらえに仰せ付けられ御蔵枡通りの
 平均四斗納切に仰せつけ下し
 置かれ候様願い上げ奉り候 その上御廻米
 

































○撰び立残米


○悪米


○ふけ米



○石代安値段



○困窮仕詰まり



○御嘆き申す












 
 撰び立残米の儀 悪米 ふけ米
 相違御座なく候間 石代安値段
 に仰せ付けられ開作夫食相続
 仕り候様御救いの程願い上げ奉り候
 右早々願い上げ奉り候儀 甚だ
 恐れ入り候得共 凶作打ち続き百姓
 困窮仕詰まり相続仕り難く
 に付きこの度 拠無く御嘆き申し上げ候 
 





















○丑年御見地



○永見取

○完金納

○御廻米減石



※江戸御蔵納→江戸御廻米御蔵納



○不熟安値段







  先達て江戸御表へ罷り出
  御願い申し上げ置き存じ奉り候得共貧
  窮の百姓雑用失費迷
  惑仕り候につき□敷く差し控え
  罷り在り候趣 御慈悲御
  憐憫を以って丑年御見地の分
  永見取り定金納に仰せ付けられ
  御廻米減石 江戸御蔵納
  不熟安値段などの儀 別書 
 





















大小百姓


※永相続→末永く代々相続するという意味か。

寛政元年

榊原式部大輔


村三役




















 願いの通り仰せつけくれ下し置かれ候はば
 大小百姓永相続仕り有り難く
 仕合せに存じ奉り候 これに依り村々連印を以って
 願い上げ奉り候 以上

  寛政元酉年
      五月
     榊原式部大輔当分御領所
             越後国刈羽郡
             村々三役連印
             三十七ケ村
                   連印 
 読み下し・用語の解説文責 大橋寿一郎