ヤマモミジ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ハナノキ」とも呼んだ。 正月の花木かざりの台木にヤマモミジやミズキを昔から使う習慣があったからだ。花の木として使われたのは、冬のヤマモミジは鮮やかな緑色をしたものがあり、ミズキは漆を塗ったように赤色であったためであろう。→緑色の枝のヤマモミジ また、天日に干した小豆の鞘を叩いて種子を出す叩き棒のバイにもヤマモミジが使われた。また、細かく枝分かれするヤマモミジの枝を折ってスベナワで束ねて庭ボウキにもした。 その上、ヤマモミジは芽吹きから紅葉まで美しい木であるためか石黒では昔から特別扱いをされた木であったように思う。 薄紅色のプロペラのような翼果が垂れ下がった様も美しい。〔下写真〕 ※石黒のヤマモミジの紅葉→クリック 石黒のみならず新潟県に自生するものはすべてヤマモミジであろうが、葉の形などは変化に富むことは驚くばかりである。 昔から床柱の用材によく使われた。 今日(2015.7.12)の早朝、散歩がてらに自転車で中田から剣方面に出かけた。朝5時少し前の気温は16℃で肌寒いほどであった。(ちなみに、気温は昼には30度を超えた)その折、剣集落でモミジの垣根に出会った(下写真)。初めての出会いだが、柔らかな感じで美しい。紅葉の頃は一段と美しいに違いない。 (写真上2004.11.6寄合 右上下2004.5.12居谷) 芽吹き@ 写真 2015.5.1 岩屋付近から 芽吹きA 写真2011.5.12下石黒 芽吹きB 写真2012.5.31下石黒 若葉の頃 写真2010.5.23落合 ヤマモミジの果実 写真2005.6.12 落合 秋のヤマモミジ 写真2007.11.17 下石黒 冬のヤマモミジ 撮影日2010.12.1板畑・嶽 撮影日2006.1.20上石黒・嶺坂 初めて見たモミジの垣根 写真2015.7.12剣町 |
解 説 カエデ科 中部以北の主に日本海側の山地に生える落葉高木。 幹は滑らかで細い枝が多数分枝する。高さ5〜10m。 葉は長い柄をもち対生し長さ6〜8pで7〜9裂の掌状。裂片は尾状で鋭く尖った楕円状卵形、またはもっと幅が狭く縁に鋭い鋸歯がある。秋になると紅葉する。 花には雄花と両性花がある。 春、葉よりわずかに早く小枝の先端に垂れ下がるようにつく〔上写真〕。雄しべは8本、葯は黄色、ガク片は5個で皮針形、色は濃紅色。また、5個の花弁は楕円形で淡紅色。雌しべの下部には短い翼をもった1個の子房があり毛のあるものが多い。 果実は大形で長さ2p以上の翼を翼をもち、互いに鈍角をなす〔左写真〕。 葉の裂片が広いことで普通のカエデと区別できる。 名前の由来は園芸種ではない原種の山のモミジの意味。 実生 写真2010.5.13上石黒 実生−2 写真2012.5.17下石黒 ヤマモミジ幹 撮影日2007.12.10下石黒 5個の花弁と黄色いヤク(葯) 撮影日2011.5.18板畑 紅葉のころ 翼果 写真2009.11.24 上石黒 高床 紅葉 写真2011.11.1 下石黒 冬芽 写真2014.1.14 下石黒 |