タラノキ | |
暮らしとの関わり 石黒では、タラノキは普通に見られる。しかし、群生していることは珍しく、あちこちに1、2本ずつ点在しているという生え方である。 昔からタラノキやハリギリは、鋭い刺が嫌われて田畑のまわりから排除されてきた。 山遊びの好きな子どもにとっても、ウルシ、ヤマウルシ、ヌルデ、ハリギリなどと共に近寄りがたい数少ない木の一つであった。 昔から石黒では山菜として食べる習慣はなかった。 昭和30年代に「山菜の王様」と言われていることを知り、村人も食べてみたが、天ぷらにして食べるには、ウドの若芽の方が香りもあり美味しいと言う人が多かった。それは、今でもおそらく変わりないことであろう。 ときには直径10p近い太い幹のタラノキに出会うこともある。〔右下写真〕 筆者の観察では、芽を摘み取られることに対してダメージは他の木に比べて大きい樹木であるように思われる。先般、藤井の山で出会った方は最近、芽のついた上部の枝を切り取っていく人が増えたと嘆いておられた。 〔写真上2005.8.6板畑 右上2005.4.48上石黒 右下2005.8.30下石黒〕 初夏のころ 写真2014.6.4上石黒 つぼみ期 写真2014.8.1田塚 花期へ 写真2014.8.15田塚 花期後期 写真2014.9.20上石黒 花期のタラノキ 撮影日2005.8.31板畑 幹の様子 撮影日2009.6.3大野 秋のタラノキ 撮影日2006.10.17寄合釜坂 落葉のころ 写真2015.11.3田塚 冬の様子-2 写真2015.1.26藤井 大きく茎を抱く葉柄の基部 写真2009.10.14下石黒 葉の形 写真2011.7.1下石黒 葉痕拡大画像 写真2015.1.20下藤井 |
解 説 ウコギ科 日本全土の山野に生える落葉小高木。 高さ2〜4mで幹は直立して枝分かれは少ない。太さは直径12pほどに達する〔下写真〕。樹皮の表面には鋭い刺がある。 葉は互生し2回羽状複葉で、直立した幹の先端部で四方に広がってつき傘のように葉を茂らせる。〔下写真〕葉柄は基部が大きく茎を抱く。葉痕は馬蹄形(下写真)。 花期は8〜9月。淡黄白色の小花が密集して咲く。 果実〔径3mm〕は秋には黒く熟する。〔下写真〕 若芽は「タラノメ」と呼び山菜の王様とも言われる。名前の由来は不明。 冬の様子 写真2008.2.9下石黒 若芽 写真2006.5.6下石黒 花期の初めころ 写真2014.8.1田塚 花序の分枝と花のつき方 写真2014.8.1田塚 つぼみ 写真2015.8.8下石黒 花 写真2013.9.5落合 タラノキの花期の樹形 撮影日2005.9.16下石黒 タラノキの果実と種子 撮影日2005.10.7板畑 太い幹のタラノキ 撮影日2005.10.17板畑 冬芽と葉痕 写真2015.1.20下藤井 |