ムシカリ〔オオカメノキ〕
暮らしとの関わり
 石黒ではよく見かける木であるが、ガマズミミヤマガマズミケナシヤブデマリなど似た木であり、よく見ないと区別がつかない。
 とくにガマズミとミヤマガマズミは、似ているが子どもの頃に赤く熟した実をとって食べた親しみのある樹木である。
 ムシカリとケナシヤブデマリもにているが、ムシカリは開花が早く未だ残雪のある頃に美しい花咲かせ目を引く。上の写真は寄合の車道沿いで撮ったが手前には残雪が見える。ムシカリの花は葉と同時進行で開く。
 牧野植物図鑑によれば、名前の由来は葉に虫喰われが多いことによるとされるが筆者は虫に食われた葉は見たことがない。
 また、石黒では黒く熟した実にはなかなか出会わない。赤く熟した段階で鳥に食べられてしまうようだ。
 ムシカリは、マンサクなどと同様、粘りのある木で石黒では、昔はボイ(低木の薪)の束を縛る木に使われたと古老から聞く。


参考画像→ムシカリの開花から紅葉まで

〔写真上・右上2011.5.8寄合 右下 2005.10.19大野〕



葉と同時に開くムシカリの花

撮影日2006.5.4落合
            果実の虫えい

虫えい2009.5.19落合  正常果実2007.6.2寄合
 ※虫えいであろう。その木のすべての果実がこのような形をしていた。〔上記写真は、撮影日が約2週間近くずれているが2009年は希なる小雪であったため、成長過程としてはほぼ同時期である〕

       ムシカリの若い果実

撮影日2007.6.2寄合
         ムシカリの紅葉

撮影2008.11.12寄合
解 説
スイカズラ科
 北海道から九州に自生する落葉小高木
 高さ3〜6m。葉は互生し円形に近い広卵形〔下写真〕。長さ10〜20cm。幅8〜18cmで大型である。(参考画像)
 花期は4〜5月。枝先に直径6〜14cmのガクアジサイのような花をつける〔上写真〕。花序の中心には両性花をつけ、その周りには直径2〜3cmの装飾花をつける〔下写真〕
 果実はガマズミの実に似ていて長さ8〜10cmの広楕円形で赤から黒色に熟す。
 名前の由来は葉の形を亀の甲羅に見立てたもの。(下写真)



      ムシカリの葉

撮影日2007.6.2寄合

      果実と種子
撮影日2010.8.1寄合

       枝樹皮
写真2011.5.8寄合