オオバヤシャブシ
暮らしとの関わり
 石黒では、ヒメヤシャブシは見られるが、オオバヤシャブシには未だ出会ったことはない。
 市街地周辺でも、あまり見かけない木の一つである。
 上の写真の個体は、藤井の高速道路の法面に生えていたものである。ヒメヤシャブシ同様に空中窒素の固定能力がある肥料木としてクロマツ林の造林にも利用されるとも聞いている。肥料僕としては寿命が10〜20年と短いのでハリエンジュのように本命の木を圧倒してしまうこともないのであろう。
 種子散布はマツのように翼のある種子を風に頼るという。
 よく似た種にヤシャブシがあるが、今まで撮影した画像の葉の鋸歯、幹、冬の雄花芽の色から、ひとまずオオバヤシャブシと同定した。
 区別点の一つは雌花が一つの花柄に2つつくものがあることと言われているので、今春から留意して観察したい。
 今日(2015.11.3)夕方、散歩の途中オオバヤシャブシの若い果実が光って見えたので触ってみる強い粘着性がある。寒さから身を守るためのものであろうか。下写真

写真右上2015.1.24藤井


               冬枝のようす

写真2015.1.24藤井


          前年の完熟果と新果

写真 2012.10.20  藤井


       粘る腋で覆われた来年の雄花
写真2015.11.3上藤井


  木質化した去年の果穂と今年の菓穂と冬芽(雄花)




解 説
カバノキ科
 関東地方南部から和歌山県の太平洋側の海岸近くの丘陵に自生する落葉小高木雌雄同株
砂防用や緑化用に種子が播かれ最近は分布域を広げている。
 高さ5〜10m、直径6〜10p。葉は互生し長さ6〜12p、幅3〜6pほどの長卵形。先端は鋭くとがり、基部は丸く左右が不揃い。縁には鋭い重鋸歯がある。側脈は12〜15対で葉裏には腺点が見られる。
 花期は3〜4月、葉とほぼ同時に開く。雄花は無柄で長さ4〜5p、やや太く弓型に曲がり、前年の葉のつけ根から1個ずつ垂れ下がる。雌花は長さ1〜2pの柄があり雄花より上につく。
 果実は堅果で長さ4〜5mm狭長楕円形でをもつ。果鱗の長さは約8pの扇形で黒褐色。
 名前の由来は葉の大きいヤシャブシの意味。



      葉の形と表裏

写真2010.7.17 藤井

      若木の樹皮


     冬芽(雄花)
写真2015.11.3上藤井

   果穂−去年−今年

写真 2012.10.2 藤井

       托葉

写真 2011.9.16 藤井