クロマツ
暮らしとの関わり
 石黒には生えているのは、すべてアカマツであるといってよい。庭木を含めても、クロマツを見かけることはほとんどない。
 石黒では、マツは身近に見られない樹木であった。クロマツは植えておく家もほとんどなく、アカマツは山に生えていたからだ。マツボックリなどほとんど目にしなかった。
 ただ、終戦前後、物資のない時代はアカマツの脂を採って来てガムの代用にしてかんだことを憶えている。だが、球果であるマツボックリを使って遊んだ記憶はない。スギとて同じである。マツやスギの球果について知ったとのは、石黒の動植物のサイトを作ってからである。→参考資料j−クロマツの種子の仕組み
 柏崎市街地付近では主に海岸沿いに自生し、砂防林として海岸に植林されている。
 また、クロマツは、アカマツと共に柏崎市の木に選定されている。海岸の景観には欠く事の出来ない樹木ともいえよう。
参考写真→海岸を彩るクロマツ
 松は浅根性で、根が地上にむき出しになった状態でも勢いは衰えない。むしろ、根が地面の下に埋もれた状態では樹勢は低下するといわれている。下の根上がり松は市内の羽森神社境内にある松である。確かに、この松も60余年前、筆者が高校生の頃からこの姿であるが、いよいよ盛んな生命力を見せつけている。
 今日(2014.5.1)、右膝の靭帯損傷が大分治ったので、今まで放って置いたクロマツの冬囲いの吊縄を外した。木に上ると黄色の花粉が煙のように頭上を舞った。
参考ビデオ-花粉の散布の様子

写真2012.9.8 鯨波 御野立公園


             海岸帯のクロマツ



写真2012.9.8 鯨波 御野立公園

                 砂防林

写真2012.9.10 荒浜海岸

              雄花と雌花

写真2014.4.28裏海岸

           枯れ木も目立つ

写真2014.2.1鯨波海岸

             根上がり松

撮影2014.4.12 柏崎市羽森神社境内→参考画像
解 説
マツ科
 九州から東北地方にわたって、海岸地方に広く分布している常緑の高木。しばしば植林される。 高さ40m、直径2mにも及ぶものもある。雌雄同株
 樹皮は黒っぽく下部は粗いべっこう状に裂ける。主枝は車状に出て枝分かれし、多数の葉をつける。
 葉は、針状で剛直、色は濃緑色。2個がついになり基部は褐色のさや(鞘)でおおわれる。葉の横断面は半円形、維管束は2個、樹脂道は3個で葉肉の中に埋まっている。
 花期は4〜5月。雄花は新しい枝の下部に群生し長楕円状柱形、鈍頭で長さ15〜18mmほど、包鱗には2個の葯室(やくしつ)があり、黄色の花粉を出す。
 球果(まつかさ)は翌年、緑色卵状長楕円形に育ち、種子ができて秋には淡褐色に熟す。翌々年には、灰褐色に変わり鱗片が反り返り種子を散布した後、枝から離れる。
 種子は各2個、ひし形または楕円形で長さ5mm、種子の長さの3倍の刀形のをもつ。
 材は建築、土木などに用いられるほか幹から松脂をとり、葉から香油をとる。
 変種に富む。
 名前の由来は樹皮の色から。
 別名オマツは雄松の意味でメマツ(アカマツ)に比べ荒々しい感じがすることによる。



  新芽を伸ばし成長する幼苗
  写真2012.10.3荒浜海岸

    昨年結実した球果

写真2014.2.1鯨波海岸

        球果

写真2014.2.1鯨波海岸

      樹皮と幹切り口

写真2012.9.8 鯨波
2014.4.28