マルバアオダモ
暮らしとの関わり
 マルバアオモダは石黒ではそれほど多くない木の一つである。石黒では「タモギノキ」と呼んだ。集落によっては「タモノキ」と呼ぶところもある。
 昔は、鎌や鍬の柄をこの木を使って作った。また、昭和30年代に野球のバットの用材にするため山師が入り大量を買い付けたことがあったという。
 アオダモの材質は強靱で且つ粘りがあり、昔から石黒では、鍬やマサカリ、よき(斧)の柄などに使った。また、幼木が春木のねじ木としても用いられた。
 アオダモ(タモギノキ)の木は、子どもの時から名前を時々耳にした木だが、ヤマトアオダモ、トネリコなどとの区別が、いまだ、現場では自信が持てない樹の一つだ。80才を過ぎてフィールドワークもままならないが、今年(2019)は是非、観察してみたいと思っている。
 
(写真上・右上2005.5.17寄合 右下2005.7.29寄合)



               花から種子へ


解 説
モクセイ科
 本州中部以北の山地に自生する落葉高木。稲架木(ハザキ)として植えられることもあった。別名タモノキ。
 高さ15m、直径60pにも達する。葉は対生し、羽状複葉で小葉5〜9枚、小葉の長さは5〜15p。雌雄異株
 花は淡黄色の白色で極めて小型で円錐形の花穂に細々とつく。雄花はおしべ2個、雌花はおしべ1個。花粉は風媒虫媒による。
 果実は翼果で狭いがつき長さ3〜4p。10月ごろに熟しガクが残っている。
 名前の由来は、アオダモに比べて葉の形が丸いことによる。



      樹皮

写真2005.5.17寄合

       花
写真2005.5.17寄合