アカマツ | |
暮らしとの関わり 石黒に自生している松は、すべてアカマツである。 もともと個体数が少なかったところ、1989年前後の松食い虫の大発生により殆どの松が枯死した。 アカマツは、昔から各集落の周囲の山の尾根に生えていて、広葉樹が占める景観のアクセントとなっていた。それらの殆どに被害が及び 松之山脇街道の並木の大きな松も姿を消した。現在、アカマツの大木は数えるほどしか残っていない。 上の写真は板畑の嶽で撮った数少ない大木の一本である。嶽は石黒で現在、最も多くのアカマツが見られる場所である。→参考画像 アカマツは、昔から梁や桁や床材として利用された貴重な用材でもあった。 一昨日(2012.5.8)板畑城址のある上官山に上ったが、枝下がクロマツのように暗褐色のアカマツにであった(右下写真)。大木でも下部も赤褐色の木が多いように思うが、牧野図鑑によれば「上部の幹は赤褐色、下部の幹は黒褐色」とあるので特異なものではないのであろう。 柏崎市市街地周辺の山側にはアカマツは見られるが。何度かにわたる松くい虫の被害で減少している。先日(2014.2.1)も、国道8号線沿いの赤坂山から鯨波付近で所々で目にした。また、笠島地区でも松くい虫の被害が見られた。→下写真 最近、アカマツやクロマツの種子を好んで食べる野鳥がいることを知った。その鳥はイスカで、マツボックリの中から種子を取り出すに適したくちばしを持っているという。 (上写真2005.12.2板畑 右上2005.6.12板畑) 釜坂峠のアカマツ 写真2006.3.5寄合 板畑嶽のアカマツ 写真2005.9.3板畑嶽 球果のでき方 写真2014.6.8田塚 種子のつくり 採取2014.2.3田塚 松くい虫に浸食されるアカマツ林 写真2015.7.10笠島 |
解 説 マツ科 北海道西南部から九州まで分布。 山地の痩せ地に自生する常緑高木。クロマツとともに我が国の代表的な樹木である。雌雄同株。 高さは40mを越えることもある。クロマツに比べ葉が柔らかく小ぶりであるため「雌松」とも呼ばれる。 針葉の長さは8〜12p。 春5月頃、新枝の先端に1〜3個の赤い雌花(上写真右中)がつく。雄花(上写真右上)は別の新枝につき多量の花粉を空中に放出する。風媒花。 球果は翌年の秋に成熟し、開いて種子を飛ばしたものが、いわゆる松ぼっくりである。 名前の由来は幹の色による。 雄花 写真2011.5.11板畑嶽 |