ウソ
暮らしとの関わり
 ウソは石黒では見かけることは少ない。春先に桜や梅の蕾みを食べる害鳥として名前は知られているが姿を知らない人も多い。
 人の口笛に似た鳴き声は耳にしたことのある人は多いだろう。私が初めてウソの姿と鳴き声に接した場所は、藤井城址であった。(ここは稲垣重綱(2万石)が藤井藩領主となり、築城に着手したが4年後に移封となり完成をみることはなかった所。水田より一段高い城址には桜の樹が植えられいる。)
 故郷石黒の近くでは、地元の田代、中之坪、門出の集落のの村人たちが丹精をこめて育てた中の坪ダム周辺の桜もこのウソの被害を受ける年が多い。
 とくに、大雪の年には被害が甚大で点々と白い花が見られる程度の淋しい開花となる。しかし、2020年は記録的な小雪のため例年にない絢爛たる花をつけている。→石黒だより2020
 ちなみに、ウソは、梅などの果樹栽培では摘果の役目も果たしたとも言われる。

〔上写真提供 道郎  右上写真-編集会-2007.1.29下藤井〕

 
 桜の木にとまっているウソ
 
 
 撮影日 2007.1.29 下藤井

解 説
アトリ科
 本州以北の亜高山針葉樹林で繁殖し冬になると山麓や低地に移動してくる漂鳥とされてきたが、希に冬になると海外から渡来してくることも確認されている。
 体はスズメより少し大きく体長約8p。オスは目からのどの下にかけてバラ色であるがメスはのど下も褐色。頭の上部、翼、尾は光沢のある黒色である。動きはゆったりとしている。
 繁殖期はつがいで生活し、それ以外は小さな群れで行動する。針葉樹の枝に巣をつくり1腹4〜6個の卵を産む。木の芽、花などを好んで食べるが昆虫も食べる。ソメイヨシノなど桜の花芽を食べる害鳥として有名。
 鳴き声は口笛のような「フィー」と柔らかな声。名前の由来は鳴き声が口笛に似ているので、口笛を吹く口の形から「うそぶく」→「ウソ」と呼ばれたという。



     飛び立った姿
 撮影日2007.1.29下藤井