ソメイヨシノ | ||
暮らしとの関わり 石黒には山桜は多く見られるが、植栽のソメイヨシノは稀にしか目にしない。おそらく多雪のために大木までに至らないうちに折れたり倒れたりしたしまうのであろう。 そんなわけで、筆者は子どもの頃から石黒地内で植栽された桜の花見ができるような場所を見たことも聞いたこともない。ただ、大野集落にの屋号「東」の庭には数本のソメイヨシノの大木があった。筆者の母親の実家であったので、子どもの頃に見た記憶がある。 だが、山桜のカスミザクラの大木は多く、五月の中旬になると山道などで見事な景観に出会い思わず見とれてしまうことはある。 ところで、ソメイヨシノは、カスミザクラに比べると豪華絢爛ではあるが、どこか厚化粧の女性のような言ってみれば重たく凝縮する美しさをもっている。それに比べカスミザクラは素顔の女性の美に似て軽やかで広く拡散する美しさを持っているように思われるがいかがであろうか。 小林秀雄の晩年の著書「本居宣長」、(難解で筆者には通読不可であった)によれば、宣長が愛した桜はヤマザクラであるという。 当時は、未だソメイヨシノは存在しなかったのだから、何とも言えないが小林秀雄によれば山桜が数等上であるそうだ。だが、宣長の歌「敷島の大和心を人問わば朝日に匂う山桜花」はソメイヨシノからは決して生まれなかったかどうかは筆者には何とも言えないが、上記のような美しさの違いが感じられるのは確かだ。 牧野植物図鑑によれば、本種は明治維新直前頃に東京染井の植木屋によって広れられたもので、初めはヨシノと呼んでいたが吉野の山桜と区別するためにソメイヨシノと名付けられたという。もとは、ウバウガンとオオシマサクラの雑種であろうとのことである。 参考写真→クリック ビデオ参考資料→ソメイヨシノ-藤井城址 ビデオ参考資料→藤井城址の桜 ビデオ参考資料−大河津分水の桜 〔写真2014.4.12 市内羽森神社境内〕 藤井城址の桜 写真2011.4.22藤井城址→※藤井城について←クリック 花冠 写真2011.4.19羽森神社
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解 説 バラ科 庭園や川の土手などに栽植される落葉高木。樹皮は灰褐色で皮目が横長。枝は四方に広がり高さ7mほど。 葉は柄があり互生、広い倒卵形で先は急に尖り、縁には鋭い重鋸歯がある。秋の紅葉も美しい。 花期は3〜5月(九州〜北海道)、花は、新葉より先に散形状に3〜5個を密集してつける。花柄は長く細毛がある。ガクは短い筒形で下部が膨れて細い毛がある。 ガク、花弁ともに5個で水平に開出する。雄しべは多数。雌しべは1個。花柱には微毛がある。 ほとんど結実しないが、核果は球形で径は7〜8mm。紫黒色に熟し多汁。 一代交配種であり、無性繁殖(つぎ木)でつくられるため、種としての性質が一致するため桜前線として開花時を線状に表わすことができる。 若葉 写真2014.4.19羽森神社境内 葉 写真2014.5.7田塚グラウンド 果実 写真2014.5.7田塚グラウンド 冬芽と葉痕 写真2015.1.21田塚グラウンド 幹切り口 写真2015.4.19野田
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