オオヨモギ
暮らしとの関わり
 日本人は四季折々に色々な野草をかかわってきたが、その代表的なものの一つはヨモギであろう。
 石黒でもヨモギは昔から生活との関わりの深い植物であった。
 食生活ではコナモチ〔現在の草餅に似たもの〕に使ったり、菖蒲湯にショウブと一緒に束ねて使ったり、子供の頃に切り傷にヨモギの葉をもんで当てたりしたものだ。
 また、昭和20〜50年代の学童の夏休みの課題とした薬草採取ではドクダミゲンノショウコオオバコ等の中で一番容易に採取できたのがオオヨモギであった。
 現在〔2007年〕でも石黒集落では農協の斡旋でドクダミとヨモギの採取し乾燥して売り渡している。多い人は乾燥製品で数十キロを採取している。

〔写真上・右上2006.7.12上石黒 右下2005.9.10下石黒〕


    薬草採取のヨモギの乾燥

写真2007.7.1下石黒

    高さ2m余のオオヨモギ

写真2005.9.8 嶺
解 説
キク科
 北海道、本州近畿以北に群生する多年草。日本には約30種が分布する。
 茎の高さは1〜2m。
 根茎は長く横に這い繁殖する。
 葉の長さは10〜18p、幅6〜13p。互生し羽状に裂け更に裂片も裂け、深度は様々で葉の形は変化に富む。
 ヨモギとは異なり葉柄の付け根に仮托葉〔小さな葉〕がない。〔上写真・下写真〕
 花期は8〜9月。茎の先に大型の円錐の花穂をつけ多数の頭花をつける。頭花は径3〜4oで数個の管状花があり総包にクモ毛があり下向きにつく(風媒花のため花粉をこぼしやすいように進化した)。
 名前の由来は大型のヨモギの意味。ヤマヨモギ、エゾヨモギの呼び名もある。



    ヨモギの仮托葉

写真上2006.7.12上石黒