オオヒゲナガカリヤスモドキ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ドウヌゲ」あるいは「ドウヌケ」と呼んだ。 昔は屋根材として使ったり、ヤマハギなどと共に刈り干しにして冬の囲炉裏の燃料として使った。資料→刈り干し刈り 現在〔2005〕では国道353号線の北側の斜面に大群落が見られる。(→参考画像クリック) オオヒゲナガカリヤスモドキは、カヤやヨシと共に、昔からカヤ屋根葺きに使い、屋根材としてはススキの二倍も長持ちすると言われた。しかし、ススキに比べ細く丈も短いために刈り取りに手間が掛かる上に、勢力の強いススキの進入などでカヤ場の維持も難しいためにだんだん利用されなくなった。しかし、大正時代のころには軒の部分にはオオヒゲナガカリヤスモドキを使って耐久力を高めるとともに見た目も美しく葺いたものだと村の古老(茅葺職人)から教えてもらった。 また、終戦当時、この草の根を掘り起こして束ねてタワシの代用品を作って使った。 晩秋に山を歩くと茎が折れて倒れたオオヒゲナガカリヤスモドキをよく見かける〔下写真〕。方言名のドウヌケは、「胴抜け」、つまり、茎の節の部分が折れやすいことによるのかもしれない。 (写真上2007.9.4水穴口 右上下2005.8.10寄合) 写真上2005.9.17上石黒嶺坂 葉鞘上端の短毛 写真2009.11.24上石黒 茎が折れて倒れた様子 写真上2009.11.24上石黒 |
解 説 本州の中部以北の日本海側の山地の日当たりの良いやや湿ったところに多く見られる多年草。 草丈1〜1.8mまで様々の丈のものが見られる。 葉の基部は円形で幅は丈のわりには広く1〜2p(下写真)。葉鞘の上部には短毛が生える(左下写真)。葉裏は細毛がありやや白色を帯びる。 花期は8〜10月。総(穂枝)は6〜10本でススキより少ないがカリヤスより多い。小穂の芒は短くて不完全で少し花外に出るが長さは5〜8oにすぎない。 名前の由来は、カリヤスに似て小穂の基部に長い毛があり(下写真)、全体が大形であることによるものではなかろうか。 総の数ススキ(右端)と比較 写真上2005.8.9上石黒 小穂の基部の長い毛 写真2009.11.24上石黒 幅の広い葉 写真2007.9.4上石黒 白色を帯びる葉裏 写真上2005.7.31板畑
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