オミナエシ | |
暮らしとの関わり オミナエシの野生のものには、石黒では極めて希にしか出会うことができない。 上の写真は、石黒で野草の撮影を始めて4年目にして初めて出会ったオミナエシである。上石黒地内高床の畑の上の斜面の草藪の中に点々と数十本が確認された。 その時は、思いもかけない出会いに感謝しつつじっくりと眺めたが、オミナエシはこのように秋の草ヤブに所々に咲いているのが最もふさわしいように思われた。 しかし、2年後(2009)の花期に訪れたが2、3数本しか確認できなかった。自生地斜面下の畑の耕作者、田辺さん亡くなられたため畑は雑草でおおわれてすっかり景観が変わってしまっていた。 呆然として、変わり果てたあたりの様子を見ながら、ここを訪れる度にお会いして、昔の石黒の暮らしについての話を伺った今は亡き田辺さんの姿を思い浮かべていると、爽やかな秋風が渡っていった。 今年(2010)の秋に訪れると。以前は畑であったところとその奥の放棄田が重機で平らに整地されて広いソバ畑に変わっていた。奥にあった水をためた放棄田に自生していたカンガレイやヤマトミクリも姿を消していた。 (写真2007.9.2 上石黒−高床) 上の平らな花序 写真2007.9.2 上石黒−高床 畑の脇に植えられたオミナエシ 写真2006.8.2 下石黒−タキノフチ |
解 説 オミナエシ科 北海道から九州の日当たりのよい山野に生える多年草。 根元から横に茎が伸びて先端に新苗を形成する。これが翌年の個体となる。 茎は直立して約1m内外。やや太く下部には多少粗毛がある。 葉は対生し羽状に分裂し先はとがる。オトコエシのように毛は多くない 花期は8〜10月。茎上部が分枝し多数の黄色の小花をつけ花序の上はほぼ平らである〔散房花序〕(左上写真)。 花は径は3〜4o。花冠は5裂し筒部は短い。雄しべは4個、雄しべは1個(左写真)、子房は下位.3室で1室だけが結実する。 果実は楕円形で長さ3〜4o。やや平たく、オトコエシの果実のような翼状の小包はなく、背面には縦に棒状の隆起がある。 万葉時代からの秋の七草の一つとして有名。 名前の由来はオトコエシに比べ姿が優しく女性的である事による。「オミナ」は「美しい女性」の、「ヘシ」は「粟飯」の意味といわれている 花−雄しべと雌しべ 写真2007.9.2 上石黒 対生する葉 写真2006.8.2 下石黒
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