カンガレイ | |
暮らしとの関わり 上の写真は上石黒の地名タカトコで撮った。 黒姫山から小岩峠まで眺望のきく場所にある休耕田で大きな株となって1m近く伸びたカンガレイの群生は見事であった。まるで栽培しているように一面に生えていた。 トンボの生息地としても恵まれた環境らしく、沢山のトンボが飛び交っていた。 この休耕田の続きに小豆を2反5畝も栽培されている上石黒の田辺さん(82)の話では、昔、この草を刈り取り乾燥してゴザのような敷物を編んだものだという。 サンカクイによく似ているがカンガレイは小穂に柄がないことで区別できる。 ※この広大な美しい眺望の地も水田から小豆畑、そして耕作者の田辺さんが亡くならると、重機が入り、水草やトンボの楽園であった池も埋められて、今はソバ畑に変わってしまった(2011)。 写真上・右下2005.7.8上石黒 右上2004.9.19下石黒 花期のカンガレイ 写真2005.7.8上石黒 小穂拡大画像 写真2005.7.8上石黒 茎断面 写真2010.6.25上石黒 |
解 説 カヤツリグサ科 日本全国の池や沼などの泥地に生える多年草。根はヒゲ状で短い。 茎は株立ちになって高さ50から120p。緑色で鈍い三角形。 葉は変形して葉身はなく鞘状で茎の基部を包む縁は斜に切った形〔下写真〕。 花期は7月〜10月。茎の側面に無柄の小穂を4〜20個集まってつける。包は茎に続き長さ3〜10pで先はとがる。一見、茎の連続に見える〔左写真〕。 小穂は長楕円形、長さ1〜2p、幅4〜6o。淡緑色または淡褐色。鱗片は瓦状に並び広卵形。 葯は線形で長さ2.5oほど。 夏の終わりに茎の先から数p下方に柄のない小穂が数個集った花序をつける〔左写真〕。 花の上の茎の続きに見える部分は苞である〔左写真〕。 そう果はレンズ形で黒色、横シワがあり6本の棘をもつ。 名前の由来は「寒枯イ」の意味で冬も枯れた茎が残っていることによる。 鞘状の葉の縁 写真2005.7.8上石黒 全体の姿 写真2005.7.8上石黒
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