クサイ | |||
暮らしとの関わり 「踏まれても踏まれても、たくましく成長する雑草のように」などといわれるが、まさにクサイはオオバコやカゼグサと共ににそうした草の代表であろう。 子供の頃に走り回った山道で、クサイを踏んだ時の柔らかな感触を今でも覚えている。 今は、このような道に生える草は石黒では受難の時代である。村道は舗装され、山道は人通りが希となり背の高い草(踏みつけには弱い)が進入してきて制圧されつつあるからだ。 それにしても、我らヒトの生き方の理想とされるこれらの雑草も、その処世術を詳しく調べてみると興味深いものがある。 なにより、この3つの草に共通することは全体が柔らかいということだ。踏まれる圧力に剛ではなく柔をもって対抗する。そのためには柔の中に剛を秘めていなければならない。実際、オオバコの茎を折ると白い葉脈が数本通っているがその強靱さには驚く。→オオバコ 種子の散布については、クサイはオオバコと同様に種子に粘着物があり靴やタイヤについて運ばれることで道に適応している。 〔写真2006.6.14 上石黒〕 全体の姿 写真2007.6.20下石黒 葉と茎基部と根 写真2007.6.20下石黒 さく果と種子 |
解 説 イグサ科 日本全土の山野のいたるところにふつうに見られる多年草。オオバコとともに人の踏み跡に生える代表的な植物。 茎は根本で分かれ群がって生える。草丈30〜60p。茎は細くて丸い。 葉は茎より短く偏平で細く幅は1oほど。平らで縁は上方に巻き〔左写真〕サヤは比較的短くサヤの口の葉耳部は膜質で長く2〜3oある〔下写真〕。 花期は6〜7月。茎の先端に細長い包葉をつけそこから横に長短不揃いの枝を出して花穂をつける。花は白っぽい薄緑色。〔上写真下〕花はほとんど無柄で基に小包葉があり花披片6個長さ3〜4o。背部は淡緑色で縁は白色の膜質。雄しべは6個で長さは花披片の半分ほど〔下写真〕。 名前の由来は草性のイグサという意味。 花 写真2007.6.20下石黒 鞘部 写真2007.6.20下石黒 茎と葉 写真2007.6.20下石黒
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